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本の企画を出版社に売り込みする方法

出版企画書や原稿の用意ができたら、今度は出版社に売り込まなければなりません。

しかし、実際に出版社に売り込もうと思うと、そこには大きなハードルがあったりします。

まずは、どこにどうやって連絡をして、何を伝えればいいのか?

出版社に伺うことになった場合、何を持って、どんな会話が交わされるのか?

その時に相手をしてくれる編集者はどんな人で、どんなことを考えているのか?

 

そういうコトって、気にはなりますが、全く分からない未知の世界。

でも、分からないから臆するのであって、知ってしまえば大したことではありません。

 

この記事では、実際に本の企画を出版社に売り込みする方法について書こうと思います。

是非、参考にしてみてください。

 

商業出版するなら、まず自分の名前を検索してみよう

出版社に企画書を送り、感触が良かった場合、最後の確認作業の一つに『著者名を検索エンジンで検索する』というものがあります。

本来の目的は、著者がどういう活動をしているのかをチェックするために行われていたのですが、最近では目的が変わり、評判をチェックしているようです。

 

過去の事例でも、それで企画が通らなかったコトは何度かありますし、著者の素行を確認されることはよくあります。

 

これは、もし、何かあった場合、出版社はその発行責任を問われますし、万一、逮捕なんて事態になれば、社会通念上、その人の本を発刊した出版社の信用問題になってしまうからです。

(過去に私が担当した事例で、某国立大学の助教授が書いたネットワークセキュリティの書籍があったのですが、その著者さんが数年後にハッキングで逮捕され、出版社からお叱りを受けたことがありました。ただ、ハッキングできる人が書いたネットワークセキュリティの本ということで、しばらく売れたのですが、当然、増刷はされず、そのまま廃刊となりました。)

 

なので、事前に自分でもチェックをしておき、もし、そこで悪口などが書かれているのであれば、ペンネームを考えたり、その悪口が誤解であることなども企画書内に盛り込むと良いと思います。

同姓同名の方がいて、誤解を生む場合も同様です。

また、昔、作っていたサイトなどで胡散臭いものがあるのであれば、自分で削除しておきましょう。

 

基本的には2ちゃんねるの情報は信用しないことの方が多いのですが、一応、しっかり読んで、精査はしているみたいです。

あと、『他のキーワード』で『名前+マイナスイメージの単語』が表示される場合はペンネームにすることをオススメします。

 

ちなみに、業界内でよく使われている検索エンジンはYahoo!の方がまだ多いですが、パソコン書の出版社だと、ほとんどGoogleでチェックします。

念のために両方で検索しておくと良いでしょう。

出版社選びがあなたの企画の売れ行きを左右する

あなたが自分の企画を出版社に売り込む場合、その企画を持ち込む先を選ばなくてはなりません。

3000社あると言われている出版社から、どう選べば良いのかを紹介します。

 

まずは、あなたが考えた企画は、書店に置かれた時にどこのコーナーに置かれるかを考えてみてください。

そのコーナー名こそが、あなたの企画のジャンルということになります。

そして、書店のそのコーナーにどこの出版社の本が一番多く置かれているかを見て確認してください。

大手出版社は総合的に本を出していますが、意外と苦手なジャンルはあります。

逆に中小の出版社の場合、あるジャンルに特化している場合が多いです。

企画を売り込む場合のポイントとしては、自分の立てた企画に強い出版にその企画書を持っていかなければ、一蹴されて終わりますので、必ず書店のコーナーをチェックしてから売り込むようにしてください。

 

ただ、そのジャンルの本を扱っていたとしても、あなたが立てた企画の切り口を受け入れてくれる出版社なのかどうかも確認した方がよいでしょう。

 

投資の企画を例にすると、分かりやすいかもしれません。

投資の企画の場合、大手の出版社が出している本を読んで稼げそうな気になりますか?

基本的なことは学べそうですが、稼げそうな気はしないと思います。

逆に中小の出版社が出している投資本はいかがでしょうか?

何だかきな臭いけど稼げそうな感じはしそうですよね。

これを「この出版社は、まだ稼げそうな企画を出していないから狙い目」などと判断して、売り込みに行くとやはり一蹴されることでしょう。

それなりにそのジャンルで既刊書がある出版社であれば、「出てない」のではなく、「出さない」という判断をしたと考える方が無難です。

 

 

もし、あなたの企画が本になった場合、その本が売れるかどうかを考える上でも、出版社選びは重要です。

 

全国に書店は1万2000店舗と言われております。

それに対して、出版物の初版部数は4000部~6000部ぐらいです。

しかも、大きな書店では、平積みということで10冊ぐらい置いてあったりしますので、全国の書店に行き渡ることはほとんどありません。

そうなると、初版部数を多めに刷ってくれる出版社の方が良かったりします。

もちろん、初版部数が多ければ、印税収入も上がりますしね。

 

また、営業力のある出版社だと、書店に平積みや面陳で置いてもらったり、長期にわたって置いてもらうことも可能です。

他にもコンビニに置いている出版社かどうかを見てみるのも良いでしょう。

 

いずれにしても、これらのことは、売り場に行って確認してみるのが手っ取り早いですね。

 

出版社によって、ここの書店系列には強いとか、弱いとかもありますので、大型店をいくつも見て回ってみるとよいでしょう。

まずは、あなたの本をどういうところで売ってもらいたいかを考え、その売り場を確認し、その売り場で一番強そうな出版社を第一候補としてはいかがでしょうか。

 

出版に著書は有利か? 不利か?

出版業界では、すでに著書があり、その著書が売れたという実績があれば、比較的、簡単に二冊目、三冊目を出版することができます。

 

ただし、その著書が、共同出版や自費出版、電子出版では意味がありません。

 

基本的に、出版社というのは、他社が出している書籍の部数は分かりませんが、共同出版や自費出版だと初版部数が少ないということは知られています。

必ずしも少ないわけではありませんが、「少ないだろう」という先入観で見られるため、増刷したとしても、あまり評価されることはありません。

 

電子出版であれば、そもそもそれほど売れていないと思われます。

かりに売れていたとしても、定価やレビューも見れますので、評価されるかどうかはすぐに判断できるでしょう。

(ここでいう電子出版というのは、電子書籍だけで出版されているものを意味します。紙の出版物の電子書籍化は含まれません。)

 

 

また、共同出版や自費出版、電子出版の場合、お金を出せば出版できます。

逆に言えば、共同出版や自費出版、電子出版をしたということは、お金を出したんだと認識されるため、実績として正当な評価は得られにくいというのが実情です。

 

共同出版や自費出版、電子出版をメインにしている出版社でも、たまに出版社側から依頼されて執筆する(お金を出さずに、逆に印税をもらえる)場合があります。

しかし、その実態は、外からは分かりません。

つまり、依頼されて執筆した原稿であっても、共同出版や自費出版、電子出版をメインにしている出版社から発刊された本は、お金を出して出版したんだと思われてしまい、実績として認められづらいことになります。

 

もし、お金を出してでも書籍にしたいのであれば、やや割高ではありますが、商業出版をメインにしている出版社に依頼した方が良いでしょう。

どうせお金を出すのであれば、その方が結果的に実績として認められることになるはずです。

 

もちろん、共同出版や自費出版、電子出版を否定するつもりはありません。

お金を出してでも書籍にされたい方もいらっしゃると思いますし、書籍になることを目的にされている方もいらっしゃると思います。

そういう方には、共同出版や自費出版、電子出版は最適な方法と言えるからです。

 

ただ、あくまでもブランディングの一環として、商業出版で書籍を出そうと思うのであれば、共同出版や自費出版、電子出版には関わらない方がいいと思います。

 

出版業界は狭い業界

出版社は、全国に3000社以上あると言われておりますが、実際に定期的に刊行している出版社は1割り以下だと思います。

さらに、その中で、ビジネス書を刊行している出版社は?といえば、数十社ぐらいだろう。

 

そして、その数十社に多くの編集プロダクションやフリーのライターや編集者が出入りしています。

出版社の編集者も、出版社を退職したら、次の出版社に転職するか、フリーになるのが一般的なので、業界内の関係はどんどん濃くなり、そして、狭くなってしまったんだと思います。

 

なので、悪評や噂などの情報が広がるのも早いですし、何かあるとすぐに連絡が入ることも少なくありません。

だからこそ、道義上のトラブルには必要以上に気をつけて欲しいのです。

 

 

実は、先日、ある著者さんから売り込みの依頼がありました。

企画書も問題ありませんでしたので、いくつかの出版社に売り込み、先方の感触に手ごたえを感じておりました。

すると、その中の一社から連絡が入り、「この人の他の企画が他の人からも届いたんだけど、どうなってるの?」と問い合わせがありました。

著者本人は、企画が違えば良いと思っていたようですが、そういう問題ではありません。

しかも、他の出版社の話しだと、売り込みを担当した方が編集者と著者を面通しした後は、直接、CCも無く、著者からメールが届くようになったそうです。

 

業界的にも、こういう話しは、非常にナーバスです。

 

まず、同時に違う人に売り込みをさせていたこと、そして、同時に違う企画を売り込んだこと、このどちらも道義上、問題があります。

とくに同時に違う企画を売り込むことは、とくに問題になります。

企画は常に著者にとって最高でなくてはならないのです。

最高は、2つあるはずもありません。

だからこそ、自分にとって会心の一撃となりうる最高の企画でなくては、先方にも失礼になりますし、もし、複数の企画を売り込んでいることがばれた場合、先方には不快感しか残りません。

たとえ、上手く複数の企画を並行させて発刊できたとしても、売れ行きが全く同じということはありえませんので、どちらの出版社もより売れた企画が欲しかったでしょうし、売れてない側はゴミ企画を押し付けられた感覚に陥るのは、必然でしょう。

あとは、紹介された後に紹介者を飛び越えて連絡をしたことも不信感を抱かれます。

 

ちなみに、同じ人が、同じ企画を複数の出版社に売り込むことは、各出版社でのトークにもよりますが、道義上、問題はありません。

 

著者になりたいという目標も理解できますし、そのためにできる限りの努力をしたい気持ちも分かります。

しかし、度が過ぎてしまい、自覚の無いままに道義に反することもあるようなので、注意してください。

 

最後にもう一度書きますが、業界は狭いので、悪評や噂などの情報が広がるのは早いですし、頻繁に情報交換もしております。

そして、隠していても、ばれることの方が多いので、本当に気をつけてください。

 

出版企画書や出版原稿を出版社に持ち込みたい

出版したいと思ったとき、出版社に企画を送る必要があります。

もし、出版業界に人脈が無いのであれば、自ら出版社に売り込むしかありません。

 

しかし、出版企画書や原稿を出版社にいきなり持ち込んでも相手にしてもらえません。

万一、相手にしてもらえたとしても、決して良い印象を与えられるわけではないと思いますので、編集会議で不利になることでしょう。

本来、持ち込みというのは、飛び込み営業と同じですからね。

 

逆に言えば、飛び込み営業をして何かを売るスキルをお持ちであれば、出版企画書や原稿を出版社に持ち込んでも、不快感を与えることなく受け取ってもらえるはずです。

 

以前、企画書を送るというのは、DMを送る行為に等しいという記事 を書きました。

同じように出版企画書や原稿を出版社に持ち込む行為は、飛び込み営業をするに等しい行為なのです。

 

こう考えれば、出版企画書や原稿を出版社に持ち込もうと思ったら、どうすればいいのかがイメージできますよね。

なので、是非、『飛び込み営業をする』という思考で出版社に持ち込んでください。

そうすれば、きっと相手に不快感を与えることなく売り込めるはずです。

 

本を商業出版したければ、売れる企画を持ち込み持ち込みましょう

よく、自費出版か、商業出版か、という話しを聞きます。

そして、ほとんどの方が、費用を負担する自費出版より、印税を受け取れる商業出版を目指されます。

そんなのは、当たり前です。

 

でも、だからと言って、どんな企画でもいいって訳じゃないんです。

もっと言えば、印税を受け取れる商業出版である以上、内容だけではなく、売れる企画にしなければならないんです。

 

しかし、私のところに企画書をお送りくださった方に「この本のために300万円用意できますか?」と聞くと、ほとんどの方が「そんなお金はありませんよ」と答えます。

なので、「じゃあ、借金してきてください」と言うと、「商業出版なんだから、印税をもらえるべきで、なんでお金を出さなくてはいけないんですか?」と質問されます。

 

正直、この時点でガッカリです。

 

何が言いたいのかというと、あなたの企画のために出版社は300万円前後の投資をしてくれるのです。

もし、あなたが、自分の企画に自信があり、どうしても売れると思えるのであれば、腰の重い出版社に代わって、借金してでも費用を捻出するはずです。

だって、売れる自信がある企画なんですから。

 

しかし、それができない人がほとんです。

逆に言えば、そこまでの自信を持った企画ではない、ただただ出版したいという気持ちが先行した企画を送ってきているということなんです。

 

それって失礼だと思いませんか?

 

商業出版というのは、たんに印税を受け取れる出版ではありません。

出版する以上、出版社に感謝しなくてはならないし、売上で投資してくれた金額以上を回収させなくてはならないのです。

 

もちろん、最終的に出版するかしないかのジャッジは出版社が行いますが、だからといって売上に関して無責任になっていいわけではありません。

絶対に出版社に損をさせないつもりで企画を立て、売れなかったら原価分ぐらいは自分で負担するぐらいの覚悟か、または原価分ぐらいの冊数を売るしくみを用意するようにしましょう。

 

そのためにも、ブログやメルマガなどのネット媒体を持ち、ファンを作ることも大切ですし、紹介し合えるような横のつながりを持つこともとても重要なのです。

 

本の出版企画書の売り込み先は出版社?

書籍の執筆をしたいと思ったら、その書籍の企画を発行してくれる出版社を探さなくてはなりません。

その場合、ほとんどの方が出版社に売り込みに行かれることでしょう。

もちろん、それが最短距離ではあります。

インターネットの普及で、ほとんどの出版社がホームページを持っており、そこには「お問い合わせ」という項目があるので、気軽にメールでアポを取れる環境になったといえるでしょう。

 

しかし、書籍を書きたい方々はたくさんいらっしゃいます。

その多くの方々の売り込みを出版社は相手にしてくれるのでしょうか。

出版社の方は、きちんと他の業務もありますし、本になりそうかどうかも分からない未経験者の企画書を端から目を通す時間はありません。

そういった意味では、出版社側は未経験者の売り込みに対して懐疑的で、おのずと敷居は上がってしまいます。

しかも、1社に売り込んで失敗すると、またゼロから次の出版社へ売り込まなければなりません。

出版社への売り込みは、最短距離ではありますが、意外に険しい道なのです。

 

では、どこに売り込むのが良いのか?

 

 

それは、出版業界の知り合いか編集プロダクションでしょう。

出版業界の知り合いからの紹介であれば、出版社の方も企画をきちんと検討してくれますし、本にするためのアドバイスをしてくれることもあるでしょう。

もう一方の編集プロダクションは、複数の出版社と取引をしていることが多いので、1社の編集プロダクションに売り込めれば、その向こうにある複数の出版社へ売り込んでもらえる可能性があります。

しかも、編集プロダクションからの売り込みであれば、関係者が目を通した企画なので、出版社も書籍になりうる企画だろうと思って見てくれるため、敷居はさがります。

編集プロダクションによっては、懇意にしている出版社を持っているところもありますので、その場合、強引にでもねじ込んでくれることもあるでしょう。

もし、その編集プロダクションの取引先に売り込んでもらって失敗したとしても、売り込むための企画書は精査してくれますので、より完成度の高い企画書にはなるはずです。

その企画書であれば、自ら出版社に売り込んでも、採用される可能性は高くなります。

そういった意味では、最初に編集プロダクションに持ち込むのは良い方法かもしれません。

 

出版社の売り込みやすいタイミング

出版への道の敷居が下がるタイミングがあります。

それは、3月と9月です。

 

これは、書店や取次ぎ、出版社の決算のタイミングです。

 

この決算のタイミングで、書店の書棚の入れ替えや棚卸を行うコトが多く、在庫を抱えたくない事情もあり、かなりの冊数の返本があるのです。

 

通常、取次ぎの決済は、納品した書籍から返本された書籍分を指し引いて決済されます。

つまり、返本された本より納品された本が多くなくては、利益は発生しません。

 

そのため、この3月と9月の返本対策として、通常の月よりも多めに書籍が発行される傾向にあります。

また、予定通り、月の本の出版数を死守するために必死になります。

 

逆に言えば、このタイミングで発刊が遅れる書籍があった場合、その穴を埋めるために納期優先の企画が決まりやすくなります。

具体的には、3月と9月に発刊する書籍の状況は2月と8月には、だいたい分かります。

したがって、2月と8月の前半ぐらいにその対応に追われ始めます。

この頃合いで売り込みをしてみると良いかもしれません。

 

ただし、このタイミングで決まった企画は、絶対にずらすわけにはいかないため、著者の信頼性や原稿の有無にウェイトを置かれることは意識しておきましょう。

 

出版社の企画が通りやすい時期

さっきは出版への道の敷居が下がるタイミングについて書きました。

実はそのタイミングは他にもあります。

それが、4月と10月です。

 

これは、出版社の半期決算を終え、来期(上半期、下半期)のだいたいのラインナップを決めるタイミングです。

 

出版社として来期に発刊する点数や各編集者が担当する点数もこのぐらいのタイミングで決まります。

なので、多くの出版社の編集者にとってこの時期というのは、一番企画を欲しているじきなのです。

このタイミングで、ある程度の見通しを付けて、その上で、毎月の編集会議で補填したり、調整したりする感じになります。

 

なので、シリーズものの提案なども、こういう中期的な思考で検討するタイミングに提案した方が通りやすいです。

 

原稿を持ち込むより企画を売り込む方が重要

ビジネス書や実用書を出版したいと思ったとき、出版社に本の企画を持ち込むよりも先にいきなり原稿を執筆する方がいらっしゃいます。

原稿を執筆することは悪いことではありませんが、自分の頭の中のものを一回吐き出すということ以外にあまり意味がありません。

 

先日も一冊分の原稿をプリントアウトされたものが、弊社に届きました。

原稿のファイルが同梱されておりませんでしたので、内容を確認するためには、一枚一枚読むしかありません。

しかし、弊社にしてみれば、仕事になるかどうかも分からない一冊分の原稿を読んでる時間的な余裕はありません。

なので、すぐに「お送りいただいた原稿の内容を企画書にして送信してください」とメールしました。

(送信としたのは、またプリントアウトしたものを郵送されても困るからです)

 

つまり、書いた原稿は読まれていないということになります。

これは出版社においても同様です。

冷たい言い方かもしれませんが、何が書かれているか分からない、売れそうかどうかも分からない、素人が書いた原稿を誰が読むでしょうか。

 

実際、出版社にも企画書も書かずに原稿を持ち込んでくる方が多いそうです。

そういう方々は、結局、同じように「企画書を送信してください」と言われ、門前払いになります。

他にも、「原稿をパラパラ見たらテーマが面白かったんだけど、切り口が面白くなかったので、修正を依頼したかったが、すでに原稿は完成していたため諦めました」ということもあったそうです。

この事例は、企画書であれば修正させたと思うのですが、原稿を送られると、この原稿を本にしたいと思われます。

つまり、出版社が出す答えは、“Yes”か“No”の2択しかなくなってしまうということです。

もちろん、完成した原稿を切り口を変えるということは、ゼロから書き直しさせるのと同意なので、気が引けるというのもあることでしょう。

 

いずれにしても、もし、ビジネス書や実用書を出版したいと思うのであれば、まずは原稿執筆よりも企画書を作り込んで、先に売り込んでください。

その上で、必要に応じて、サンプル原稿を見たいと言われたら、その時点で書けばいいんです。

そうすることで、時間的にも、手間的にも効率的になるはずです。

 

出版社への売り込み投稿メールマナー

本を出版したいと思ったら、 原稿投稿したり、出版企画書を送信する方法があります。

ネットの普及により、出版社へのメール営業もやりやすくなりました。

今では、その後の原稿のやりとりなど、ほとんどがメールです。

 

そんな中で多くの方々とメールのやりとりをしていると、意外に投稿メールマナーが守られていないことに気づきます。

このメールマナーが、業界内の常識なのか、一般的な常識なのかの判断は、私にはできないので、書いておきます。

ちなみに、このメールマナーは最低限の話しですので、出版社に作品投稿する場合のマナーとしても適用できます。

 

まず、メールの形式です。

メールの形式には、HTML形式とテキスト形式がありますが、HTML形式のメールはフィルタで弾く設定にしている人が多いです。

必ず、メールはテキスト形式でお送りください。

 

次は、送信者です。

フリーの方に多いのですが、プライベートのメールと使い分けていないため、たまに「○○ちゃんママ」という送信者名で届くメールがあります。

その場合、中身も確認せずにゴミ箱に捨てられることが多いです。

公私の区別は、しっかり行ってください。

 

最後に添付ファイルの件です。

 

出版業界は、Macユーザーも多いので、Windowsの常識でファイルを送られても困ります。

MacユーザーといってもOS Xなら良いのですが、いまだにOS9.Xという方も少なくないのです。

 

例えば、ファイル名の文字数。

Windowsは半角255文字(全角127文字)までとなりますが、Macだと半角31文字(全角15文字)までです。

つまり、あまり長いファイル名だと、Macでは文字化けしてしまい、どのファイルか分からなくなります。

 

また、ファイル名に使える文字も違います。

Windowsは、半角の/などの記号は使えませんが、MacのOS9.Xだと使えます。

 

他にもアプリケーションの問題もあります。

よく企画書をWordでかかれる方が多いのですが、Wordは重いので、Wordというだけで見る気が失せることが多いです。

最近では、Word2007を使った場合、今までと拡張子が違うため、ファイルを開くために一手間かかります。

 

また原稿の納品の場合、さらに深刻です。

原稿をWordで納品すると、文頭の1角落としが無くなったり、箇条書きの約物のあとにタブが入ったりしてしまいます。

この場合、受け取った編集者が手動で直さなくてはならないため、膨大な作業が発生してしまいます。

このような方に二度と原稿を発注したくなくなるのは、ご理解いただけると思います。

 

このように、アプリケーション依存のファイルの場合、相手がそのアプリケーションを持っているか分からないため、汎用性の高いTXTファイルなどで送るようにしてください。

 

あとは添付ファイルの容量の件です。

 

添付ファイルが1MB以上になるときや複数のファイルを添付するときは、できるだけ圧縮してください。

圧縮の方法も同様に注意が必要です。

一般的なのは、LZH形式やZIP形式だと思います。

ZIP形式は、Macで開くとクラッシュする可能性が高いので、LZH形式で送ることをオススメします。

 

容量については、圧縮して5MBぐらいまでであれば、添付しても問題ありませんが、10MBぐらいになるようでしたら、事前に連絡するようにしてください。

それを超える場合は、「宅ファイル便」などの転送サービスを利用しましょう。

 

以上です。

 

このように、相手が必ずしもWindowsで受け取るわけではありませんので、相手がどのようなOSでも受け取れるように配慮するようにしてください。

できるだけ、汎用性の高いファイル形式で送ることをオススメします。

分からない場合は、先に聞くようにしてください。

 

複数の出版社で同じ企画を同時応募してしまった場合

基本的には、同時に複数の出版社へ企画を売り込むのは、道義上問題があります。

できるだけ、一社一社に売り込みをかけて、結果が出るまで待つようにしてください。

 

ただ、そうも言っていられない場合もあります。

その場合は、必ず「他にも売り込みをかけています」と言うようにしましょう。

結果的に先方に早めの決断を促す効果がある場合もあります。

そして、その上で、複数の出版社で決まってしまった場合、理想としては先着順です。

条件を出させて、一番良い所で出したい気持ちは分からなくもありませんが、待たせている間に企画が流れてしまうことも少なくありません。

このあたりは、著者のバリューと関係があります。

もし、その企画によほどの魅力があり、どうしても出したい出版社であれば、待ってもらえるでしょうし、好条件を引き出すことも可能です。

ただ、こういうことはレアなケースであることは認識してください。

今、そこにあるチャンスをできる限り活かすことを心がけましょう。

 

もし、複数の出版社で決まってしまった場合、いくつもの切り口を事前に用意しておき、出版社ごとに切り口を変えて、全く違う本になるようにします。

こういう時のために、企画書をややぼかし気味にしたり、著者を複数人用意しておいたり、全く別の本に見えるような切り口を用意しておいたり、同時に複数の本を制作することでスケジュールが遅れないように調整したり…いろいろな複線を準備をしておく必要があります。

これらはこの仕事を生業にしている人にしかできないと思いますので、あまり強欲に考えるよりも、一つずつ丁寧に対応するようにしてください。

 

本の企画の売り込みは編集担当者と会おう

出版社や編集プロダクションに企画を売り込む時は、できる限り、担当者に会うようにしましょう。

 

企画書をメールで送ると、その企画書が全てです。

その企画書だけで判断されることになります。

さらに、あなたの人柄すらも企画書やメールの文面だけで判断されることになります。

 

もしかしたら、ほんの少し切り口を変えるだけで企画は通る場合もあります。

しかし、会わないと、その切り口での執筆が可能かどうかの判断ができないため、企画はボツになりかねません。

 

担当者と話しをすることで、その企画は、より売れそうな企画に進化していきます。

そして、話しをしているうちに、あなたの実績や経験から、もっと面白い企画に切り替わることもありま。

こういうコトは、会って話しをしないと広がらないものです。

 

 

現に、私もお会いしたからこそ通った企画はたくさんあります。

なかには、ノープランでただ本を書きたいという方とでも、話しをしていくうちに企画としてまとまったこともあります。

そして、会わなかったから通らなかった企画も多いのです。

 

人柄についても、企画が通れば、その方と仕事を一緒にすることになります。

仕事をする以上、互いの信頼関係は不可欠です。

しかし、会わないと、メールや企画書の文面でその方の人柄を判断するしかありません。

この方は、「ちゃんと文章を書ける方なのだろうか?」「締め切りは守ってくれるだろうか?」と何かと不安は募ります。

その判断ができないと、たとえ企画は通っても、信頼できるか分からないということで、ボツになることすらありえるのです。

会って話しをすれば、ほんの少しの時間でも、その不安を払拭できますし、そこに信頼関係が芽生えれば、より強固な協力を得られるかもしれません。

(逆により不安になることもありますが…)

 

わざわざ会いに行くのは面倒かもしれません。

それでも会いに行く価値は、十分にあるのです。

 

商業出版の企画を出版社に売り込みする方法

出版社は、商業出版の企画書を募集しているわけではありませんので、企画を出版社に売り込みする必要があります。

企画を出版社に売り込みする方法と言っても、それほど手法にバリエーションがあるわけではありません。

基本的には、飛び込み、郵送、ファックス、メール、電話ぐらいだと思います。

 

飛び込みは一番嫌われるパターンです。

相手の都合も考えずにいきなり来社してくるわけですから、当たり前ですね。

 

郵送、ファックスは、読まれにくいパターンです。

何か読ませる工夫がないと、読んでもらいにくいでしょう。

 

メールは一番効果的だと思います。

ただ、ビジネスとしての最低限のメールマナーは守ってください。

出版というだけで、いきなり通常のビジネスでは考えられないようなことをされる方が多いので、注意しましょう。

ちなみに、メールアドレスですが、スパムメールの横行で、出版社のホームページを見ても、昔ほど掲載されておりません。

問い合わせフォームも増えたように思います。

問い合わせフォームの場合は、ファイルを添付できないので、なかなか難しいでしょう。

そこに「メールアドレスを教えてください」と書いたところで、返信はないでしょうから…。

 

電話は一番効率的だと思います。

そのまま電話で企画を説明するのは無理ですが、企画を募集しているかどうか、企画内容に興味を持ってもらえるかどうか、企画書を送ってもいいかどうか、メールアドレスや訪問のアポ取りなど、話すことで分かることはたくさんあるはずです。

ここでも、失礼のないように話しができることが前提ですが…。

 

ということで、理想的な企画や本を出版社に売り込む方法は、電話→メールだと思います。

 

電話の代わりとして、出版社の方と知り合いになるために、出版記念パーティーなどに参加するのも良いと思いますよ。

その場で会話ができますし、名刺交換もできますので、ダイレクトにメールで売り込みができるはずです。

 

著者による本の売り込みは妄信的になりすぎる

ある出版社で企画の売り込みをしてきました。

2本の企画を持って行ったのですが、どちらもかなり好感触。

 

でも、最後に編集担当者さんが…

 

「似た企画を●●さんからもお預かりしたのですが、編集会議で通らなかったんですよねぇ~」

 

とのこと。

 

以前、似た企画が編集会議で通らなかったのにも関わらず、好感触だったその訳は何なのでしょう。

ちなみに、ベースになっているのは、実は同じ企画書です。

著者が書いた企画書がそのまま渡されたパターンと私が租借してアレンジしたパターンの違いです。

 

実は売り込む側に問題があるのです。

 

著者が直接企画を売り込むと、どうしても自分の企画を猛烈にアピールしまいがちです。

そうなると、受け取る側の不安なども見えなくなってしまいますし、あまり熱意がありすぎると受け取る側が指摘しづらくなるということがあります。

 

その点、私のような企画をお預かりしている立場ですと、企画を引いて見たり、俯瞰して見たりすることができるため、受け取る側の不安なども見えますし、指摘もしていただけます。

そうすれば、あとはいかなそこを回避するかどうかなので、話しは進みやすいし、相手を乗り気にさせることもできるというものです。

 

ただ、回避する方法などについては、著者から企画の説明を聞くだけではなく、その人のバックグラウンドを知らないとなかなか見つかりません。

その著者さんに関しては、たまたまそういうチャンスがあったので、いろいろなことが腑に落ちた効果ですね。

 

一社に断られたぐらいで諦めないことが大切

その人は、以前から出版を目指しており、友人のつてなどを辿り、ある出版社に企画を売り込みました。

しかし、企画書に目を通してくれた編集者にこっ酷い目にあわされ、出版の「夢」は叶えることができませんでした。

その後、その一件がトラウマとなり、もう出版することを諦めてしまいます。

たった一社のたった一人に言われたことを、出版業界全体のことだと勝手に思い込んでしまったようです。

 

 

そんなある日、ふとしたご縁で、私はその著者さんとお会いすることになります。

 

その時に、その出版社に見せたという企画書を見せてもらいました。

企画書を見る限り、とくに問題がありませんでしたので、そのまま企画書を預かり、一字一句手を加えずに、私が他の出版社に売り込みをかけたのです。

すると、何と、一社目で興味を持ってもらえることができ、そのまま出版が決まってしまいました。

 

実は、こんなコトはよくある話しです。

 

企画書に対する評価なんて出版社ごとに違いますし、下手したら編集者ごとにも違います。

重要なのは、しっかりとした企画書を作ることです。

企画書の出来が悪くて断られたのであれば、どこの出版社に持って行っても無理だと思いますが、企画書がしっかり作られているのであれば、あくまでもその出版社ではニーズが無かったということでしかありません。

それなら、その企画にニーズがある他の出版社に売り込めばいいんです。

 

ただ、企画書の出来に対する判断や、どこの出版社がどういうニーズがあるのかという情報は、一般の方には解らないと思います。

そんな場合は、弊社のような会社に売り込みの代行を依頼するとよいでしょう。

 

出版社の担当編集者の「やりたい」は「やる」ではありません。

出版社に企画を売り込んだとき、担当編集者さんが「この企画面白いですねぇ~、これはやりたいですね」と言われることがよくあります。

もちろん、社交辞令の場合もありますし、乗せられて言っちゃうこともあるようです。

はたまた、本当にそう思って言われる場合もあります。

 

しかし、だからといって、企画が決まった気になって、調子に乗ってはいけません。

 

だって、そう簡単に企画が決まるわけではありませんから…。

出版というのは、だいたい3回ぐらいの会議を経て、確定します。

もっと言えば、出版社の編集担当者さんの「やりたい」は、その3回の会議にも含まれていないレベルなのです。

 

もちろん、出版社の編集担当者さんが乗る気になってもらわなければ、1回目の会議でボツになってしまうので、編集担当者さんに「やりたい」と言わせることは、とても大切なことではあります。

しかし、そこで油断してはいけません。

その後、他の編集部の方々や編集長も説得し、営業などの他のセクションも説得させなくてはいけないのですから。

 

なので、たとえ編集担当者さんが「やりたい」と言ったとしても、「編集会議に出してもらえる」ぐらいに思っておきましょう。

 

 

エッセイや小説、詩などの売り込み方

エッセイや小説、詩などを書籍にされたい方も多いようですが、それらを書籍にするのは容易なコトではありません。

 

絶対に売り込めないとは言いませんが、出版社の担当編集者との感性の相性や文章力というより表現力も必要になります。

 

これらに、答えはありません。

 

実用書やビジネス書は、本の目的が明確で、その目的に魅力があり、ある程度の市場規模が見込めれば、書籍にすることは可能です。

しかも、その目的を達成するための説明を原稿に書かなくてはならないため、分かりやすいかどうかなど、ある程度の答えがあり、出版社も判断しやすいのです。

 

もし、あなたがエッセイや小説、詩などを書籍にされたいのであれば、各出版社で開催されている賞に応募した方が良いでしょう。

賞は各雑誌やホームページなどで告知しておりますし、送った原稿は必ずといっていいほど目を通してくれます。

しかも、第一人者による冷静な判断を受けることができるため、出版社のよく分かっていない人の主観で合否を決められることもありません。

 

ようは、書きたい内容によって、書籍にする道のりは違うのです。

何でもかんでも売り込みからではなく、最終的な「書籍を発刊」という目的に向け、自分なりに戦略を考えてみましょう。

 

出版のチャンスを自ら潰さないでください

今まで自社で主催したセミナーだけではなく、多くのセミナーに参加してきました。

職業柄、どこのセミナーに参加しても、たくさんの方々と名刺交換をさせていただきます。

やっぱり、どこに行っても出版したい人っているんだなぁ~と実感させられる瞬間です。

 

で、出版したいという情熱をぶつけていただけたら、必ず、できる限りのアドバイスはさせていただくように心がけています。

なので、家に帰ってから、私がアドバイスしたことを実践したら、一歩も二歩も出版に近づいているはずなのです。

 

ところが、翌日、メーラーを開くと、お礼のメールをたくさんいただくわけですが、その中によく分からないメルマガが紛れ込んでいます。

よくよく調べると、名刺交換した人が勝手に登録しているみたいです。

こういうのは、正直、げんなりします。

あまりに失礼ですよね。

こういうことをされると、当然、連絡をしづらくなりますので、せっかくアドバイスしたことを実践されても、「あとは勝手にやってください」と思っちゃいますし、たとえその人向きのオファーが出版社からあっても他の人にまわしちゃいますもんね。

 

企画が通らない4つの理由

出版社に企画を売り込んだ時に、断られるのは次の4つの理由しかありません。

 

  • 著者
  • 企画
  • 時期
  • 条件

 

著者で断られるほとんどの場合が、その企画を書くに値する著者でないということです。

これは、実体が伴っていない場合は仕方ないのですが、伴っているのであれば、著者プロフィールを書き直すことでクリアできることもあります。

また、その企画を書くに値しないということ以外に、著者の人柄や編集者との相性といった担当編集者の主観で判断されることも少なくありません。

基本的に普通にしていれば、問題にならないのですが、この“普通”というのが意外に難しいようです。

偉そうであったり、高圧的であったり、いい加減ぽかったり、挙動不審だったり、依存度が高かったり…これから一緒に仕事しようとしているのですから、安心して仕事ができるようであれば、問題ないんですけどね。

 

企画で断られる場合は、ネタか切り口に市場性がないという場合です。

このどちらかがダメだった場合、まず企画は通りません。

当たり前ですね。

よく出版企画書の類書の項目で「類書が無いので売れるはずです」という記述を見かけますが、類書の無い理由をよく考えてみてください。

 

どんなに著者が良くても、企画が素晴らしくても、企画が決まらない場合があります。

そのほとんどが、この時期の問題といっても過言ではありません。

簡単に言えば、タイミングです。

出版が決まったら、実際に書籍が書店に並ぶのは3ヶ月以上先になります。

それでもこの企画が売れるのかどうかです。

これは、早過ぎだったり、遅すぎだったり…、旬やブームを読まなくてはならないので、出版社の人でないと難しいと思います。

ただ、時期が理由で決まらなかった場合、半年後、1年後に決まる場合がありますので、その時期が来るまで待ってみてもよいでしょう。

実際に弊社で売り込みに半年以上かかっている場合は、この理由がほとんどです。

 

最後は条件です。

基本的に、“初版印税0%”、“アマゾンキャンペーン1000部保証”と言えば、話しを聞いてくれる出版社は多いはずです。

でも、この条件はなかなか呑める人がいないというのが実情です。

他にも印税率や初版部数、書籍の仕様(版型、色、ページ数)など、いろいろ条件はあります。

よりキレイな、よりカッコイイ本として出したい気持ちは分かりますが、本は商品なので、出版社による商品設計というものがありますので、その条件に同意できなければ、出版は決まりません。

 

編集会議を通過しても気持ちを緩めてはいけません

基本的に、編集会議を通過したら、出版はほぼ確定となります。

でも、それは、あくまでも“ほぼ”なのです。

実際に編集会議が通過した後に本にならなかった事例というのは、弊社ではまだありませんが、業界的には意外に多いようです。

 

では、それはどうい場合かというと、原稿ができた時点で“企画の構成(内容)が変わっている”場合と“原稿が直してどうこうなるレベルではない”場合です(原稿ができてこないというのは論外なので、扱いません)。

 

編集会議では、出版企画書をベースに検討されます。

そして、その出版企画書を総合的に判断して、企画は確定となります。

つまり出版企画書に書かれたことというのは、何かの契約時に取り交わす契約書の内容と同じぐらい重要です。

しかも、目次案は出版企画書の1項目ですから、できあがる原稿がその目次案に限りなく合致していなくてはならないのは当たり前の話ですよね。

 

ところが、実際に企画が通った後で、「この目次案では書けない…」という人がとても多いのです。

この“書けない”というのは、“ペンが走らない”とか、“何を書こうとしたか忘れた”というのも含まれていると思います。

でも、本来であれば、その目次案だから通った企画ともいえますので、そう簡単に変更してはいけません。

変え方によっては、全く違う本になる場合もありますからね。

 

逆にいえば、企画書を作る時点で、もっと真剣に、もっと具体的に、本の中身や話しの流れなどを想定して、作らなければならないということです。

 

あとは、せっかく企画は通ったのに、上がってきた原稿が日本語ではないという場合ですね。

編集者は、ある程度は手を加えますので、修正できるレベルの原稿であれば、あまり大きな問題にはなりません。

ただ、中には、ほぼ全てを書き直さなければ、商品価値のある文章にならないということがあります。

それでは手間が掛かりすぎて、刊行スケジュールも守れないし、原価も割ってしましますので、そこまでして出版する必要は無いと判断されるのです。

 

この文章力の問題は、企画書からは判断できませんので、仕方がないことですが、自分の文章力に自信がないのであれば、早めに章単位で原稿を見せて、ダメなようならライターを手配するなど、対策を講じましょう。

 

こういう問題は、弊社のような編集制作作業まで請け負う出版プロデューサーだと、どこまで変更してもいいかというさじ加減や、文章をリライトする機能を持っているので、出版社に気づかれずに吸収することができます。

しかし、そうでないと、出版社と直接のやりとりになりますから、最悪の場合は発刊停止となるようです。

 

出版社の編集者の話しですと、こうして発刊中止になるケースというのは、意外に多いらしいので、皆さんも編集会議を通過した時点で気持ちを緩めることなく、最後まで気を引き締めて取り組んでください。

 

 

 

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