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ビジネスに役立つ出版企画の考え方

ビジネスにつながる出版をしたいと思ったとしても、何も考えずに出版したところで、ビジネスにはつながりません。

ビジネスにつながる出版をしたいのであれば、ビジネスにつなげるためにはどんな企画にするべきなのかをしっかりと考える必要があります。

では、何をどう考えればいいのかを書いていきたいと思います。

 

本を商業出版するための企画の考え方

出版デビューしたいと思ったら、まずは書きたいコトを本にしようと思っていませんか?

 

ほとんどの方の書きたいコトは、書籍になりません。

それは、あくまでも自己満足なので、商業出版ではなく、自費出版で出すべきコトなのです。

 

では、何を書けばいいのかといえば、お金をいただくに値する情報ということになります。

あなたが周りによく聞かれること、驚かれること、褒められるコトは書くコトを探す上でのヒントになるでしょう。

 

たとえば、「お宅のお子さんは礼儀正しいですね」と褒められるのであれば、「子どもを礼儀正しく育てる方法」という書籍を出せるということです。

 

このことは、意外に自分では見つけられにくいようです。

自分で思っているよりも他人の評価は高い場合もありますし、自分が思ってもいないコトが評価されている場合も多いように思います。

 

 

現に弊社でもメールで企画書を送ってこられる方よりも、会ってお話しした方の方が出版が決まるのは早いです。

それは、最初にお会いしたときに、そういう棚卸をしっかりやって、本を出す目的、書くネタ、切り口、ターゲットを明確にして、しっかりイメージできる状態にする作業を行っているからに他なりません。

 

サラッと書きましたが、ネタを決めるだけではなく、そのネタをどうすれば出版社が受け入れやすい切り口になるか、誰に向けて書けばより売れる本になるか、そして、出版することで自分がどうなりたいのかを一緒に考える作業は、業界内の人間と一緒でなくては、なかなか難しい作業なのかもしれません。

ただ、これをやるかどうかが、出版デビューできるかどうかを大きく左右されるのです。

 

仕事に関連した本の企画を簡単に考える方法

本を出版したい人の話を聞くと、「出版はしたいんだけど、書くことがないんだよねぇ~」という方がいらっしゃいます。

そういう方に「じゃあ、出版は無理ですね」とか、「書きたいことが見つかったら連絡ください」などと言って、切り捨てるのは簡単なのですが、今の仕事(本業)に関する書籍の企画を考えるのは、それほど難しいことではありませんので、その手法を紹介しておきます。

 

まず、あなたの仕事を具体的に教えてください。

 

次に、あなたの仕事のお客さんは誰ですか?

 

その方は、どういうことで悩んでいることが多いですか?

 

それを解決する方法は?

 

もう少し具体的に…

 

ここまで答えられれば、企画書はほぼ完成しました。

あとは目次案を考えれば終了です。

 

では、具体的に解説していきましょう。

 

『あなたの仕事を具体的に教えてください』という問いで答えた内容が著者プロフィールになります。

それが本業として成立しているのであれば、十分に書く資格はあるということです。

 

『あなたの仕事のお客さんは誰ですか?』『その方は、どういうことで悩んでいることが多いですか?』という問いで答えた内容が読者ターゲットになります。

逆に言えば、この本を読んだ人は、あなたのお客さんになる可能性が高いということです。

 

『それを解決する方法は?』という問いで答えた内容が書名案になります。

Q&Aの場合、Qに対してAがあり、さらに解説があるはずです。

ここでは、Aの部分に該当します。

 

『もう少し具体的に…』という問いで答えた内容が企画内容になります。

ここでは、Q&Aの解説の部分が該当します。

 

これで、目次案以外は埋まりましたよね。

しかも仕事で実践していることのはずですから、説得力もあるはずです。

 

出版する企画は、ネタから決める必要なんかありません。

きっちりと段階をおって考えれば、逆から考えた方が簡単だったりするのです。

 

その方が、よっぽどいい企画になることがありますので、是非、試してみてください。

 

企画は読者の顔を思い浮かべて考えよう

本を出版したいと思ったら、まず、何の本を書こうかと考えると思います。

その時、最初に「書きたいこと」を考えてしまいがちですが、それは大きな落とし穴です。

 

書籍は出版社の商品です。 

 

出版社は企業である以上、営利団体として売れる商品を作らなくてはなりません。

これは、当然の話しですね。

 

しかし、自分の「書きたいこと」が売れる商品になりうる内容なのであれば問題はありませんが、ほとんどの場合がそうではありません。

 

では、どう考えれば良いかというと、答えは簡単です。

自分が書けることを列挙して、その中から「売れそうなこと」を考えれば、良いのです。

 

 

読者は、お金を出して本を買います。

お金を出す以上、その金額に見合った以上の情報が盛り込まれていなければ、その本を誰かに勧めようとは思います。

そうなったら、当然、その本は売れません。

売れないだけで済めばいいのですが、Amazonのレビューが荒れたり、ネットで炎上することもありますので、注意してください。

 

なので、そのことを念頭に企画を考えてみましょう。

 

そして、本を出す以上、目次を読んだり、斜め読みで内容が理解できるような本は出さない方がいいでしょう。

そうすることで、本を買っていただけますし、本にする意義が出てくるというものです。

 

一言で済むような内容をわざわざ一冊になるようにまわりくどく説明するような本や、目次を見ただけで言いたいことが分かってしまうような本は、売れませんし、紙の無駄ですからね。

また、立ち読みで理解できる内容では、手に取ってはもらえても、立ち読みで済まして買ってはもらえません。

 

企画を考える場合には、必ず、読者の視点で考えるようにしてください。

売れそうなことで、本の定価以上のお得感のある内容で、本にしなければ伝わらないことであれば、企画は通ります(通らない場合は、企画を提案する手法の問題だと思います)。

そして、その本は、きっと売れるでしょう。

 

もし、それでは書く意味がないとか、書きたいことで本にしたいと思うのであれば、自費出版をオススメします。

お金を払えば、たいていの内容は本にすることができます。

 

あなたが出版するべきテーマを考えよう

出版をしようと思って、自分が書けることで「売れそうなこと」を考えようとしても、なかなかうまくはいきません。

なので、まずは自分自身の経験や実績、知識などを棚卸しをして自分が何を書けることを整理してみましょう。

 

このときにできるだけ“モノ”に関することではなく、“コト”に関することを書き出すようにしてください。

“モノ”についての企画が出版すると、その“モノ”にもよりますが、たいていの場合が書籍の賞味期限が短くなってしまいます。

 

書き出した中から、“コト”に関することで、体系化されたノウハウや体系化できるノウハウを抽出してください。

そこから、次の項目に該当するものをさらに抽出していきます。

 

  • 人に認められるぐらい取り組んできたコト
  • より楽に、より安くできるコト
  • 周りに驚かれるコト
  • 不愉快、不便、面倒を取り除けるコト
  • 身近な問題で、周りに求められるコト
  • 今までありそうでなかったコト

 

次に、その抽出された“コト”が売れそうかどうかを考えてみましょう。

売れそうかどうかは、自分自身が「こんな本があったらいいなぁ~」と思えるかどうかです。

あとは、その“コト”について検索をしてみて、検索結果に広告が表示されるかどうかや、月間検索回数が5000回以上はあるかどうかを調べてみるのも手です。

 

本を書きたいという一心で、思い入れや思い込み、私利私欲、私情がまじらないように客観的に考えてみてください。

 

次に考えなくてはいけないことは、その残った“コト”に対する出版的な需要です。

似たような本を本屋さんで探してみて、まずは置かれているかどうか、そして、棚差しなのか、平積み・面陳なのか、さらに、その本が売れているかを見てみるといいでしょう。

売れていれば、需要があるということになります。

 

 

ここまでの絞込みでも残った“コト”があれば、その“コト”は書籍にする価値があるといえます。

 

市場分析の結果に対して、どういう本が出せるか

分析した市場に対して、どういう本を出すことで訴求するのかを書きます。

ここでの内容は、「企画概要」の項目ともリンクしますが、ここでは「企画概要」で提案したことの裏付けと思って書くと良いでしょう。

 

攻め方にはいろいろありますので、いくつかバリエーションを紹介します。

 

  • 市場をより絞り込んで、マニア向けやニッチな市場に向けるなど読者ターゲットを工夫して、その市場に訴求する方法
  • 難しい内容を噛み砕いて、物語調や口語体、もしくは身近なものに置き換えるなど解説する方法を工夫して、その市場に訴求する方法
  • 図版を多めにしたり、手順をしっかり紹介したり、フルカラー(もしくは2色刷り)にしたりして誌面の見せ方を工夫して、その市場に訴求する方法
  • 浅く広くや狭く深くなどの扱う内容、独自性や切り口などの内容の展開を工夫して、その市場に訴求する方法

 

他にもあると思いますが、大事なことは「どうすればその市場に訴求できるか」です。

そのことを念頭において、いろいろと自分なりに工夫してみましょう。

 

 

一冊では終わらない企画の考え方

出版は一冊ではほとんど意味がありません。

出版して半年ぐらいは効果があるかもしれませんが、そこから徐々に効果が薄らぎ、二年もしたら、もうほぼ元の生活に戻ってしまいます。

なので、出版をする場合、一冊だけで満足するのではなく、二年か三年に一度は出版することを想定して企画を考えるようにしましょう。

 

複数冊を出版することに想定して企画を考える場合、最初の一冊は単発の企画かもしれませんが、その先にシリーズ展開が見越せるような企画の立て方をすることをオススメします。

 

出版社としては、最初からシリーズの書籍は別ですが、単発で発刊した本が売れた場合、その本を起点にしてシリーズ展開をしていくというのは、よくある話です。

言い換えれば、今でこそシリーズ化されている書籍でも、最初は単発の企画として出版され、その本が売れたからこそ今があるということです。

つまり、今、発刊されているビジネス書の多くは、シリーズの一冊目なりうるということになります。

 

売れればシリーズ化、売れなかったら単発本という考え方がベースにありますので、編集者としては、どっちに転んでもいいように書名やカバーデザインも考えます。

シリーズでなかったとしても、本が売れたら、そのきっかけは絶対に無駄にはしません。

すぐに『手を替え、品を替え』次の企画を考えるのです。

そうすると、売れた書籍の関連商品ということもあり、ある程度の売れ行きが見込めると判断するため、書店でも取り扱ってもらいやすく、出版社にとっても嬉しい企画となっていきます。

 

事例を紹介すると、かつて弊社でプロデュースした『FX自動売買ロボット作成マニュアル』という本があります。

この本は売れ行き好評でした。

そうすると、出版社は次にどういう思考になるか…。

『FX自動売買ロボット作成マニュアル』が売れたというコトは、その続編として『FX自動売買ロボット運用マニュアル』『FX自動売買ロボット改良マニュアル』のような企画を考えます。

これが 『手を替え、品を替え』の手を替えたパターンです。

そして、次に考えるのが『日経225自動売買ロボット作成マニュアル』や『株式自動売買ロボット作成マニュアル』といった、切り口が同じで取扱商品が違う企画になります。

で、こっちが品を替えたパターンです。

 

つまり、売れている本を起点に『手を替え、品を替え』ながら企画を考えていきます。

 

皆さんも、書店に行ったら、売れている書籍を見ながら、『手を替え、品を替え』企画を考えてみましょう。

それで企画がまとまったら、意外にスムーズに出版が決まるかもしれません。

そうでなくても、そういうことを意識しながら書籍を見ていると、ちょっとした頭の体操になりますので、オススメです。

 

ロングセラー作家として著書を息の長い本にするためには

最近では、書籍が発刊されて、すぐに売れない本は、翌月に1000部以上が返本されてきます。
返本されてしまっては、その後、売れる可能性はかなり下がります。
そこで、自分の著書を息の長い本にするためのポイントです。

それは、「元棚を明確にした企画」です。

元棚とは、書籍が本来置かれる棚のことを言います。
棚は、ご存知の通り、書店にある棚ですが、棚はカテゴリー分けをされております。
つまり、どこのカテゴリーの棚に置くべき書籍なのか明確な書籍が息が長い書籍となるのです。

書籍は、発刊されると、まず、各棚の前に平積みで置かれます。
そこで売れれば、より目立つ場所に移動になります。
しかし、結果がでないと、次の新刊と差し替えられるのですが、その時、置く棚が明確だと、棚差しされますが、どのカテゴリーに置くべき書籍なのかが不明瞭だと、返本されるのです。

大手書店では、棚もかなり細分化されておりますので、置かれたい棚のキーワードが書名に入るようにすると良いでしょう。

そうすることで、あなたもロングセラー作家になることができます。

 

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