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出版社の編集者が採用する出版企画書の書き方

本を出版しようと思ったら、絶対に必要なのが出版企画書。

しかし、編集者は非常に忙しいのにも関わらず、数多くの企画が持ち込まれています。

つまり、ひとつの企画に対して、じっくりと吟味している時間などありません。

 

編集者に出版企画書を読んでもらい、採用してもらうためには、どんな項目にどんなことを書けばいいのか…。

 

それは、出版企画書に編集者が知りたい要素、評価する要素、採用したくなる要素を詰め込み、その上でそれらのことを客観的に書く必要があります。

この記事にには、編集者が採用したくなる出版企画書の書き方を存分に紹介したいと思います。

 

目次

本の出版方法は3パターン

書籍の出版方法というか、出版社が本を出版するかを決めるパターンは3つしかありません。

この3つを理解してしまえば、自分が何をすべきなのかは自ずと分かるはずです。

 

では、出版社が書籍の出版を決める3つのパターンを紹介します。

 

●著者で決まるパターン

売れている書籍の著者に直接オファーするパターンで、条件交渉なども伴うため、基本的には出版社から直接オファーします。

売れている書籍の著者以外にも、売れている書籍の著者の紹介の場合やブログやメルマガで圧倒的な読者数を確保している場合、テレビなどの露出の多い方も、このパターンに該当します。

 

●企画で決まるパターン

面白そうな企画を出版するパターンで、著書の無い方でも企画次第で出版することができます。

いろいろなリスクをヘッジする意味でも、編集プロダクション経由で決まることが多いです。

弊社では、はじめて方でも企画を売り込めるように『企画持込型サービス 』というサービスをご用意しております。

 

●戦略で決まるパターン

売れる、売れないよりも出版社の戦略上必要な書籍を出版するというパターンで、基本的には編集プロダクションに作成を依頼します。

戦略上必要な書籍というのは、シリーズ展開や出版社のブランドイメージ上、出していなければならない書籍などが該当します。

編集プロダクションはこのような時のために、いろいろな企画に対応できるように、常に著者と交流を持っています。

弊社では、はじめて方でも出版のオファーを受けられるように『著者登録型サービス 』というサービスをご用意しております。

なお、売れる、売れないよりも出版社の戦略を重視しますが、売れないのを前提に作る本は一冊もありません。

 

このように、出版社が出版を決めるパターンは3つしかありません。

そして、はじめての方の場合は、下の2つのパターンしか無いと思った方が良いでしょう。

 

なので、最初は下の2つのパターンで出版を目指すためには何をすればいいのかを考え、まず一冊目の出版を実現してください。

そして、その著書を必ず売って、一番上のパターンに該当する著者になりましょう。

なると分かりますが、それぐらい一番上のパターンと下の2つのパターンは待遇が違いますから…。

 

本の出版企画書とは…

本を書きたいと思ったら、その内容を出版企画書にまとめ、出版社に売り込みます。

実は、この行為は、ある行為と似ています。

 

それは、『DMだけで300万円を投資させる』こと。

 

つまり、出版企画書を出版社に送付するには、『300万円を投資させられるDM』になっているかという視点でチェックするだけで、飛躍的に成約率が上がります。

 

 

出版社は売れる企画は常に求めていますが、別に募集しているわけではありません。

そこに出版企画書を送付するということは、それはDMであり、スパムメールでしかありません。

ただ、自分にあてはめて考えると分かると思いますが、興味をそそるDMやスパムメールは読んでしまう場合もありますし、内容に納得してしまった場合、そこから購入することもあるでしょう。

出版社の人も同じです。

興味がそそれば、企画書を最後まで目を通しますし、興味がそそらなければ、破棄して返信もしてきません。

だって、DMに返信しないですよね。同じです。

 

もちろん、開けさせる工夫も必要ですし、最後まで読ませるだけの魅力ある内容でなくてはなりません。

 

300万円を投資させるというのも、書籍の原価が250万円~300万円といわれていることに起因します。

つまり、出版社は250万円~300万円を投資して、どれぐらい回収できそうな企画なのかを企画書から読み取ります。

実は、出版企画書は、その根拠と信憑性を確認するための資料といっても過言ではありません。

企画の面白さや独自性、先進性なども根拠の一つなのです。

 

そして、企画書を送付したときのメールの文面やメールマナーに300万円を投資する先としての資質や信頼性を見られていることも意識してください。

 

よく、出版業界の人脈やコネがあると出版は決まりやすいと言われます。

それは、きっと事実です。

なぜなら、その紹介者や企画を持ち込んでくる弊社のような出版プロデューサーや編集プロダクションというのは、出版社からしたら、保証人のような存在だからです。

300万円を投資する場合、保証人の有無は大きいですよね。それと一緒です。

 

また、「企画書を送ったのに連絡がこない」とか、「状況確認の電話をしたら態度が悪い」などとも言われます。

でも考えてみましょう。

あなたが送ったのはDMやスパムメールのようなものです。

DMやスパムに返信しませんし、業者から「お送りしたDMはよんでいただけましたか?」と電話があったら鬱陶しいはずです。

 

こういう仕事をしていると、よく思うのですが、出版社は営利団体です。

決して特別な業界ではありませんし、冷たいわけでも、閉鎖的なわけでもありません。

自分たちがした行為を客観的に捉え、受け取る側の心情を常識的に理解しようとすれば、自ずと分かるはずです。

 

なので、是非、『DMだけで300万円を投資させる』という思考で企画書を作成してください。

そうすれば、きっと良い企画書ができるはずです。

 

出版企画書を書くときの考え方

私の日記で再三書いてきたと思いますが、出版するというコトは、出版してもらうということであり、出版社に自分の企画に投資をしてもらうのに等しいと言っても過言ではありません。

 

そして、そのための企画書です。

 

しかし、最近、弊社に届く企画書に口語体で書かれた企画書が非常に多いです。

企画書は、あくまでも出版社の方々(編集会議に出席する顔も知らない面々)に投資をする気にさせるツールと考えてみると分かりやすいと思います。

逆に言えば、企画書を読んで投資する気にならなければ、それは企画書として成立していないのと同じです。

 

口語体の企画書を読んで、誰が投資する気になるのでしょうか?

 

第三者が赤の他人が書いた口語体の企画書を渡されて、真剣に検討する気にはなれないと思いますし、少なくとも私はなれません。

私に向けた企画書であれば、百歩譲って許したとしても、到底、出版社にお見せできるわけがありません。

当然ですよね。

そんな企画書を持っていくことは、弊社の信用問題にもなりかねませんから。

 

これは、企画書の書き方などのテクニック的な話し以前の大前提となる著者になりたい人の姿勢の問題です。

企画書を書くとき、そして、企画書を読み返すときには、「自分のことを全く知らない赤の他人が、この企画書を読んで、300万円以上の投資をするか検討するんだ」ということを必ずイメージしてください。

とくに企画を売り込みのであれば、口にしなくても構いませんし、態度に出さなくてもかまいませんが、出版してもらうという意識は持ってください。

 

出版社の編集者に読んでもらえる書籍の企画書

出版デビューを目指すうえで、企画書の存在は不可欠です。

いかにこの企画書で自分の企画をアピールできるかが、出版デビューできるかどうかを左右するといっても過言ではありません。

 

しかし、この企画書をしっかり書かない人が多すぎます。

 

私は、某出版社の編集長をしていた時期もあったので、多くの企画書を目を通しますが、かなり酷いです。

読みづらい、見づらいは当たり前。

目を通す気にならない、企画書の文章が日本語じゃない、何を伝えたいのか分からない、全く売れる気がしない…いや、本当に酷いです。

 

あとは、長々と書いたところで、編集者に最後まで読んではもらえません。

必要な項目だけをコンパクトにまとめ、A4サイズの用紙で1枚程度で作成してください。
補足的な内容を続けて2枚目、3枚目にまとめても構いません。

企画書を紙やファックス、郵送などで出版社の担当者に見てもらえるのであれば、ワードやパワーポイントのファイルやPDFファイルで作成しましょう。

ただし、あまりゴチャゴチャ作りこむのではなく、項目名を太字にするぐらいで構いません。

メールで送信する場合は、必ず、テキストファイルで作成してください。

テキストファイル以外のファイルを添付して送信すると、テキストファイルに比べ、著しく閲覧率が下がりますので、気をつけてください。

 

もし、出版デビューを目指すのであれば、弊社のマニュアルは、必ずダウンロードして、熟読してから、企画書を書いてみましょう。

実際に弊社のマニュアルを読んだ方と、そうでない方では、企画書の出来に大きな差があります。

また、弊社のマニュアルを読んで作成した企画書を持って出版社に売り込んだら、一発で通ったという報告も聞いております。

 

 

ダウンロードする際に名前とメールアドレスを登録しておくと、企画書完成後に無料面談サービスや出版社への売り込みもお引き受けいたします。

名前を適当に入力される方もいらっしゃいますが、マニュアルは入手できてもそれ以降のサービスは受けられなくなりますので、注意してください。

 

本の企画書の書き方はセンスよりテクニック

出版するために企画を売り込む場合、企画書が必要になります。

企画書というと、出版業界に関わらず、どの業界でも必要になるものですから、みなさんも今までに書いたことがあると思います。

ところが、いざ「本の企画書」となると、とたんに構えてしまう人が多いのが実状です。

 

今までみなさんが経験したこと、お持ちになっている知識、そうしたことは、もしかしたら「センス」なのかもしれません。

ただ、それらのことを企画書に落とし込んでいく作業は決してセンスによるものではありません。

多少のコツがわかれば、つまり考え方の技術があれば誰でも「通る」企画書ができます。

つまり、企画書作成は「テクニック」なんです。

 

マインドマップやカラーバスなど、考え方の技法(道具)はいくつもありますが、企画書もそれと同じように、考え方の道具を使ってまとめていけばよいのです。

 

どのような要素をどのように伝えるか、その道具として、『企画書の書き方』をダウンロードした際に付属する企画書のひな形があります。

『企画書の書き方』を読みながら、企画書のひな形を項目に沿って考えることで、しっかりとした企画書がつくれると思います。

 

 

ぜひ、企画書のひな型を、「企画を考える道具」として使ってみてください。

 

採用される書籍の出版企画書の具体的な書き方

採用される書籍の出版企画書の具体的な書き方

出版を目指すのであれば、採用される出版企画書を作らなくてはなりません。

 

その出版企画書ですが、教える人によって大きく異なります。

 

企画の全てを盛り込み、サンプル原稿まで添えたぶ厚い企画書を推奨する方、そして、パッと見で興味を持たせ、読む側の負担にならないようにペラの企画書を推奨する方、企画書での必須項目も含めさまざまです。

 

全ては、実績に基づく経験から推奨してるから、仕方がありません。

つまり出版企画書に正解は無いのです。

 

ここからは、完全な私見を書きます。

 

出版企画書は、単に企画を説明するだけではありません。

とくにインターネットが普及し、出版企画書を売り込みやすい環境になった昨今では、企画書を通じて著者の社会性もチェックされていることは忘れてはいけません。

 

また、出版企画書をどう位置づけるかをイメージすることも重要です。

私の場合、出版企画書は企画に興味を持ってもらい、話す場を確保するためのツールだと思っています。

なので、企画の全てを書き込まず、「答えを知りたい」「詳しく聞きたい」と思わすところで留めます。

なぜなら、企画の魅力を文字だけで伝えるのは困難だからです。

身振り、手振り、声のトーンやテンションなども含めて説明した方が、出版社の編集者には伝わります。

また、読んで分かってしまう企画書だと、会っても何も話すことがありません。

企画書を音読するは、お互いに時間の無駄ですし、そういうのを出版社の編集者は嫌う傾向にあります。

だからこそ、口で説明する余地を残す必要があると思うのです。

 

あとは、厚さを見ただけで読む気が失せることもありますので、それを回避する狙いもあります。

 

いずれにしても、出版企画書の体裁は、営業する人の売り込みの手法や営業スタイルに合わせる方が上手くいくことは間違いありません。

これは、出版企画書を書く著者の売り込みの手法や営業スタイルではなく、実際に出版社へ売り込みに行く人の売り込みの手法や営業スタイルに合わせなくては意味が無いので、注意しましょう。

 

弊社にも、他の方に教えてもった出版企画書の書き方で書いた企画書を、出版が決まらなかったので、弊社で売り込んで欲しいという相談がよくあります。

しかし、弊社にしてみれば、こういう企画書は扱いづらいことこの上ないのです。

もちろん、道義的な問題もありますし…。

 

最後にこの日記を読んでくれている方が、直接、出版社に売り込む場合に最適だと思われる企画書を書いておきます。

 

郵送で送付場合、著者が東京へなかなか上京できないエリアに住んでいる場合は、ぶ厚い企画書が良いでしょう。

ただし、この企画書で出版を決められるだけの内容にしなければ、連絡はいただけないと思ってください。

ただ、敷居は高くなりますが、連絡が来た時は、かなりの確度で出版されるはずです。

 

逆に、メールで送信する場合、著者が東京近郊に住んでいる場合は、ペラの企画書が良いでしょう。

やはり、会って説明した方が企画は通りやすいです。

そのためにも、いかに「答えを知りたい」「詳しく聞きたい」と思わせ、いかに気軽に連絡してもらえるようにするかがポイントになります。

ただし、会う場合は沈黙は印象があまりよくありませんので、人見知りするのであれば、ぶ厚い企画書にした方が良いかもしれません。

 

書籍編集者に伝わるではなく、伝える出版企画書を書こう

企画書で重要なことは、その企画書を読んでどういう本ができ上がるのか、そして、その本を読むことで何ができるようになるのか、どうなることができるのかがイメージできることだと思います。

そのためには、どんな人が、どんな切り口で、どんな構成で書かれるのかが、出版社の方に伝わるかが企画書に盛り込まれることが重要です。

 

類書を出すのもその一環です。

 

企画書だけで伝えきれないのであれば、サンプル原稿や誌面のデザインイメージを添えても良いでしょう。

 

そして、でき上がりがイメージできて、そのイメージされた本が売れそうであれば、出版社で企画は通ります。

 

逆に企画書からこれらのことが読み取れないのであれば、その企画は通ることはないと思ってください。

企画書で最も重要なのは、「伝える」という点にあります。

 

出版企画書の主な必須項目ついて

書くコトが決まったら、まず企画書を書いてみましょう。

企画書を書くことで、誰に、何を伝えたいのかなど、本のイメージがより鮮明になり、頭の中が整理されます。

出版社へ売り込みをする場合、企画書は必要不可欠なツールですので、事前に企画書を書きながら頭の中を整理したとしても、その企画書は無駄にはなりません。

 

企画書に記載する事項(必須項目)については、以下の6項目になります。

 

  • 書名案
  • 企画概要
  • 著者プロフィール
  • 販売協力
  • 読者ターゲット
  • 構成案

 

他にもある以下の項目は、上記の項目を補完する項目だと思ってください。

 

  • 企画意図
  • 市場規模
  • 類書
  • 仕様
  • 納期
  • その他

 

出版企画書の書名案(タイトル案)について考えよう

企画書でまず最初に書かなくてはならないのは「書名」です。

書名の最終決定権は出版社にありますので、そのまま書名に決まることは少ないですが、出版社の担当者が「面白そう」「読みたい」と思えなければ、企画書のその先へ読み進めてもらうことはできません。

 

書名は、一つしか書いてはいけないわけではありません。

まず、出版社の担当者向けの分かりやすい書名を一つ考え、さらに、そこに肉付けして読者向けの書名をいくつか考えてみましょう。

 

まず、あなたの企画を一言(一文)で表現してみましょう。さらに、その一言(一文)が出版社の担当者に次のコトが伝わるかを考えてみてください。

 

  • 本の内容が一目でわかる
  • その本を読むことで到達できる魅力的な到達点
  • 本屋で置かれる棚がイメージできる

 

その上で、出版社の担当者が「面白そう」「読みたい」と思えるような読者向けの書名を考えてみましょう。

読者向けの「面白そう」「読みたい」と思えるような書名を考える上でのポイントを紹介します。

 

  • 「えっ?」「本当?」と思える引っかかり
  • 前向き
  • 身近で親しみやすい
  • 目新しい視点、切り口
  • その気にさせる煽り

 

そして、それをより強調するためのポイントを紹介します。

 

  • 根拠となる数字や魅力的な数字を入れる
  • 目新しいキーワードや新聞などで話題になるキーワードを入れる
  • むずかしい言葉は使わない

 

これらのポイントが盛り込まれていれば、きっと面白そうな書名になることでしょう。

 

書名をいくつか出すことで、企画の面白さやふり幅をよりアピールすることもできますので、いろいろなパターンを考えてみると良いでしょう。

 

実用書の企画書は読者がたどり着く到達点がポイント

実用書の企画書を書く場合、その書籍を読むと読者がどうなれるのかがポイントになります。

つまり、本を読むことでたどり着く到達点です。

この到達点が魅力的でなければ、当たり前ですが、本は売れません。

では、人が思わず本を買いたくなる到達点というのは、何なのでしょうか?

 

簡単に言うと5つの切り口×2つのスタンスで10パターンあります。

5つの切り口というのは、お金、労力、時間、悩み、体験です。

2つのスタンスは前向きと後ろ向きになります。

 

これを自分の書きたいテーマを読んでくれるターゲットに響くパターンに当てはめます。

 

  • “儲かる”が響くのか、“節約”が響くのか。
  • “やる”が響くのか、“やらない”が響くのか。
  • “効率”が響くのか、“ゆとり”が響くのか。
  • “安心”が響くのか、“不安”が響くのか。
  • “成功談”が響くのか、“失敗談”が響くのか。

 

パターンが決まったら、さらに言い回しを工夫したり、数字などを入れて、より具体的にイメージできるようにしてください。

それができれば、きっと魅力的な到達点になっているはずです。

 

出版企画書の企画概要について考えよう

企画書の「企画概要」では、本の内容を簡単に説明します。

では、企画概要を考える上でのポイントを紹介します。

 

  • 目標設定
  • 再現性
  • 読者の共感

 

そのためには、この本で「何故」「誰に」「何を」「どうやって」伝えるのかを説明しなければなりません。

そして、読者が、この本を読むことによって、何ができるようになるのか、どうなることができるかを明確にする必要があるのです。

 

一般には、企画書を書くというと、5W1Hをイメージされる方が多いと思います。

しかし、出版の企画書には5W1Hはほとんど必要ありません。

 

  • いつ(When) →出版時期は出版社が決めるか原稿の仕上がりによります。
  • どこで(Where) →本書内で説明しなくてはなりませんし、本は本屋でしか売られません。
  • だれが(Who) →企画書を書いた人なので、書くまでもありません。
  • なにを(What) →書名案でわかるようにします。何の本かわからない書名案はダメです。
  • なぜ(Why) →本書の存在意義みたいなことで、これは、必要です。
  • どのように(How)→これは、「書く」に尽きます。

 

では、何が必要かというと、以下のようになります。

 

  • なぜ(Why) →本書の存在意義
  • 誰に(Whom) →読者ターゲット
  • なにを(What) →本書のテーマ
  • どうやって(How to)→企画の切り口や方法

 

これらの内容が盛り込まれた概要が不可欠となるのです。

具体的に言うと「~なので、●●な方々に、××を□□の切り口で解説します」という流れになります。

ここでは、簡単に書きましたが、実際にはもっとふくらませたほうが良いでしょう。
その上で、次のような内容が読み取れることが理想です。

 

  • 知りたい、読みたい、やってみたいと思える内容
  • 便利、役立つ、その気にさせる内容
  • モヤモヤや「困った」を解消する内容
  • 優良、最新、話題の内容

 

そして、これらのコトから著者としての意見や考え方、メッセージが伝わらなければなりません。

そのためには、後述する「著者プロフィール」の項目でそれを言うだけの説得力が必要になりますし、「企画意図」で出版社の担当者に「売れそう」と思わせることも重要です。

企画概要では「あんた何様?」と思われないことが大事

企画概要には、読んで字の如く、この企画の概要を書かなければならないのですが、そこに「あんた何様?」と言いたくなる文面をよく見かけます。

もちろん、出版企画書なので、専門家としての考えを書かなければなりません。

だからといって、読み手は何も知らないド素人に教えてやるというスタンスはいかがなものでしょうか?

 

読み手は出版社の編集者ですから、企画を採用するかどうかの決済者でもあるわけです。

なので、その編集者に教えてやるのではなく、理解してもらうという姿勢でなくてはなりません。

ただ、逆にあまりに謙虚だと、著者として自信が無いと思われてしまうので、ここはバランスが大切です。

 

 

もし、そのバランスが難しいと思うのであれば、周りの人の意見に摩り替える方法もあります。

 

たとえば、「私の周りでは、こういう意見が多いので、こんな企画を立ててみました」とか…。

 

この「周り」も、ある程度の説得力がもたせられる立場の人である必要があります。

自分の意見として書くから角が立つのであって、周りに言われていることにしてしまえば、自分では思っていなくても事実として話すことができます。

そうすることで、比較的、角は立たないはずです。

 

いずれにしても、あなたの企画書を読む方が「あんた何様?」と思うことがないように注意してください。

 

出版企画書の企画意図について考えよう

企画書の「企画意図」では、どうしてこの本が売れるのか、何のために発刊する必要があるのかがわからなくてはなりません。

そのためには、本のコンセプトや売りを明確にして、客観的に市場を分析し、どう攻めるのかを具体的に書くことが重要になります。

 

企画意図に客観的な市場分析を入れる場合、しっかりとした裏付けとなる数字を提示するのが理想的です。

数字で重要なことは、その市場規模がわかることです。

ユーザー数や登録者数などがそれに該当します。

また、その数字の出典元が新聞社のようなしっかりとした機関からの数字だと、なおさら説得力が増します。

数字の目安としては、その数の1%が5000を上回る場合、比較的サクッと企画の進行が決まると思います(これは経験則ですが…)。

 

他にも、市場規模が分かる数字として、類書の売れ行きもあります。

類書が1冊しかない場合、その類書が売れていると、やはり、比較的サクッと企画の進行が決まると思います(これも経験則ですが…)。

ただし、売れていたとしても、類書が3冊以上ある場合、市場が飽和状態と判断されるため、切り口を変えないと厳しいでしょう(出版社によっては、分野として成立している、と考え進行が決まることもありますが、その場合でも、差別化が十分なされている必要があることはいうまでもありません)。

 

ユーザー数や登録者数などの数字であれば、ニュースサイト(BCNランキングなど)で見つけることはできますし、類書の売れ行きであれば、アマゾンのランキングや本屋さんで平積みになっている本の奥付を見れば増刷されたかどうかわかります。

こういう数字を見つけてから企画を考えるのも良いですし、立てた企画の数字を探して、企画書に添えてみるのもよいでしょう。

いずれにしても、このような市場規模が分かる数字が添付されていると、本の売れ行きが予測しやすいので、企画進行の可否はサクッと決まります。

 

逆にダメな例としては、「たくさんいるだろう」や「いるはずだ」という「たら・れば」による分析です。

また、「友人が『そういう本があれば、ぜひ欲しい』と言っていた」という裏付けも無意味です。

これはまったく意味がありません。

それは、そういう潜在需要は、あるにしてもその方々が本を買うかどうかの動機付けに結びつかないからです。

ただし、意味がないということは、企画が通らないというわけではありません。

あくまでも市場規模はわからないという判断をされるだけで、あとはその企画の内容だけで進行の可否を決めることになるという話です。

企画内容が面白ければ、そんな数字の裏付けがなくても、進行されるでしょう。

 

出版企画書の構成案(目次案)について考えよう

企画書の「構成案」では、書きたい内容をどういう順番で説明するのかがわからなくてはなりません。

つまり、書籍の内容をどういう流れで読者に解説するのか、どういう段階を経て目的に到達させるのかという書きたい書籍の設計図です。

筋道を立てて、読者がスムーズに流れを追えるように配慮してください。

実際に本を買うときに、目次を見て買うかどうかを決める人も少なくないでしょう。

その読者の気持ちになって作ることが重要です。

 

では、早速、構成案を考えてみましょう。

 

まず、最初に書きたい内容を伝えたいメッセージや達成するステージごとに5つ~7つに分けます。

その上で、説明する順番を考えてみてください。

 

構成案で一番重要なのは、1章です。

1章は、その書籍の一番最初になりますので、読者をどれだけ引き込めるかという掴み(導入)の位置づけになります。

ここがしっかり作れないと、話しは先に進めなくなってしまいますので、企画を通すことは難しくなるでしょう。

1章に概論を持ってくる方がいらっしゃいますが、いきなり概論があると、読む気がなくなってしまいますので、注意しましょう。

また、いいたいことを最初にまとめて伝えたいという気持ちもわかりますが、どうしてもそれ以降の章との重

複感が出てしまいます。

 

そして、2章からについては、章タイトルだけでその書籍の流れやどういう段階を経るのかがわかる必要があります。

もちろん、必ずしも流れである必要はありません。

先に書いたように、構成案はその書籍の設計図なので、1章の導入は別にして、2章以降が並列になっていても構いません。

いずれにしても、その構成を見て、本書の内容をどういう流れで読者に解説するのか、どういう段階を経て目的に到達させるのかということがわからなければなりません。

 

最後に終章です。

終章は、本書のまとめや今後の可能性などになります。

この終章で読者は本書を読み終えますので、気持ちよく読み終えられるように配慮してください。

 

章構成ができたら、次は各章ごとの節構成を考えますます。

 

節構成も基本的には同じ考え方です。

その章の内容を読者に理解させるための章の設計図です。

その章の1節目に導入があり、その章で説明することを理解させるための構成にする必要があります。

 

もし、節構成まで考えられない場合は、各章でどのようなことを解説するのかを文章にまとめてみても良いでしょう。

 

一通りの構成案ができたら、それを企画書用に加工します。

それぞれの章や節にタイトルを付ける作業です。

読者にとってわかりやすく、手軽で簡単なイメージを持ってもらえるような言い回しに加工してみましょう。

それぞれの章や節にキャッチコピーを付けるイメージで考えてみてください。

 

全体の言い回しについては、章は章で、節は節で、語尾などの言い回しを統一してください。

章の構成が直列の場合は流れが重要ですが、並列の場合は、語尾や言い回し意外でもある程度の統一感を持たせた方が良いでしょう。

統一感がないと、内容が散漫な印象を与えるおそれがあります。

 

節タイトルについては、その節で解説することの結論を節タイトルにすると良いでしょう。

結論を節タイトルにすることで、より内容が明確になり、読者が目次を見て、より「読みたい」と思えると思います。

 

最後に構成案を考える上での注意点を書いておきます。

構成案を考える上で、本書の内容は必ず本書内で完結する必要があるということです。

なかには続編を意識したり、別途、情報商材の購入を促そうとする方もいらっしゃいますが、それは絶対に避けてください。

書籍を買う以上、その書籍で完結していなければ、読者にとって失礼になりますし、そういう企画は、出版社で受け入れてもらえることはありません。

 

こうして考えると、構成案を考えるということは、一冊の書籍の中身をイメージする必要があるため、一冊の本を書くのと同じと言っても過言ではありません。

でも、ここをしっかり作っておくと、実際に本を書く上では、かなり楽になることも事実です。

大変な作業ではありますが、キッチリやっておきましょう。

 

出版企画書の読者ターゲット(対象読者)について考えよう

企画書の「読者ターゲット」では、誰を対象にした企画なのか、誰が買ってくれる企画なのかがわからなくてはなりません。

 

そのためには、市場での読者ニーズをしっかりと捉えることが重要になります。

読者ターゲットをイメージする場合、年齢層や性別、成熟度など漠然としたイメージではなく、属性や意欲などを明確にして、より具体的に絞り込みます。

そして、その絞り込まれた読者ターゲットが、それなりの人数を見込めなくてはなりません。

読者ターゲットを法人などに絞り込むことで、その書籍は経費での購入が可能になります。

 

経費での購入が可能になるということは、自分のお金を支払うわけではありませんから、比較的、買ってもらいやすくなります。

そのため、法人などを読者ターゲットにした企画は通りやすくなります。

 

出版企画書の著者プロフィールについて考えよう

出版企画書に書く「著者プロフィール」という項目では、執筆するあなたがどういう人間なのかを伝えなくてはなりません。

そのためにも、まずは著者であるあなたの得意な分野、専門的な分野を明確にし、その裏付けを提示しましょう。

 

その上で、あなたが立てた企画の内容を書くに値するだけの説得力を持てるかどうかが重要になります。

 

では、まずはあなたの今の肩書きやポジションを明確にしてください。

何の実績もない無名の著者なのでは、読者はあなたが書いた本の内容を信用できません。

しかし、同じ無名であったとしても、肩書きに「○○研究家」とか「●●コンサルタント」などの肩書きがあるだけで、何となく信用できてしまうことでしょう。

 

そういった、読者への説得力というのは想像以上に重要で、この肩書きがあるのと、ないのとでは企画の進行可否にも大きく影響いたします。

もちろん、士業のような資格名的な肩書きが理想ですが、自己申告でいえるような肩書きでも構わないというのが実情です。

他にも「元~」といった肩書きでも構いません。

いずれにしても、ご自身を自らブランディングして、読者への説得力を増すような工夫してみるとよいでしょう。

ただし、あまり大げさな肩書きは、胡散臭さが増し、逆効果になりますので注意が必要です。

 

今の肩書きやポジションを明確にしたら、次は、そこにいたる経緯や経験、実績を整理しましょう。

ここでも、やはり読者への説得力が求められます。

本を書いていただくわけですから、何よりも実績がなくてはならないと思ってください。

出版してどうにかなりたい人が多いですが、本来、出版というのはどうにかなれた人が出せるものな訳ですから、実績がなければ書く資格がないと言われても仕方ありません。

ただ、起業直後で、実力もあり、前職での実績は十二分にあるもののその実績は使えないという事情がある場合もあります。

そういう場合は、経歴を書いてアピールしましょう。

ただし、経歴というのは履歴書なわけではありませんから、今までの自分の人生の中から、今回の企画に関係する部分だけを抜き出して書くようにしてください。

経歴などを書く場合に、「元~」というのを書くのは効果的です。

逆に、「○○氏に師事」「〇〇氏がメンター」などと書くと、〇〇氏にオファーされるので、注意してください。

他に、民間資格が乱立している昨今ですが、あまりメジャーじゃない資格を列挙するのは、逆効果になりますので、注意するようにしてください。

あと、自分のことを客観的に書かなくてはならないため、たまに自分のプロフィールに「イケメンコンサルタント」など、大袈裟な表記を書かれる人が多く見受けられます。

そういう場合、出版社の編集者ににそのまま企画書を見せると、間違いなく、「この人は何様なの?」と言われますので気をつけましょう。

もし、どうしても、そういうコトを書きたいのであれば、「私はこういう実績があり、周りにはこう呼ばれております」と周りの人の意見として書くようにしてください。

自分で言うから角が立つのであって、周りに言われていることにしてしまえば、自分では思っていなくても事実として話すことができます。

そうすることで、比較的、角は立たないはずです。

ただ、あまり謙虚だと、著者として不適切だと思われてしまうので、バランスに注意しましょう。

 

 

次は実績についてですが、できるだけ数字を出すことをオススメします。

その数字にインパクトがあれば、より企画進行の可能性は高まります。

とくに目に見えた実績が無い場合は、ホームページのアクセス数やブログランキングの順位、メルマガの読者数でも構いません。

とにかく、具体的に示すことが重要です。

 

あとは、セミナーの開催実績やメディアの露出実績、運営しているソーシャルメディアのURLなども記載しておきましょう。

これらは、全て、あなたの出版した場合における販売力のチェックに使われす。

もし、集客人数が少なかったり、あまりメジャーではないメディアだったり、読者・フォロワー・友達などが少ない場合は、あえて書かないという選択をするのも手だと思います。

 

最後になりますが、たまに著者プロフィールに写真を貼り付ける方がいらっしゃいますが、個人的には写真は不要だと考えます。

 

最終的に書き上げた著者プロフィールから、今回の企画の内容を書くに相応しい内容になっていることが重要です。

その上で、あなたの能力、意気込み、信念、信用、優位性などが読み取れ、読者にも興味を持ってもらえる著者であると印象付けることができれば理想的です。

 

著者があなただから、その企画は通らないんです

出版を目指している皆さんは、当然、いろいろな企画を考えられます。

後発組なので、新たなテーマ、新たな切り口、新たなターゲット…企画書を拝読してると、本当にワクワクするような企画は多いです。

 

しかし、実際に出版社に売り込むと、その企画は編集会議でボツになってしまいます。

 

理由を聞いてみると…

 

「この人がこの企画を出版する必然性を感じないんですよ~」

「企画は面白いから他の著者にしてもらえませんか?」

「この人が、これについて語っても説得力が無いよね~」

「この人は凄い人なの?」

など。

 

つまり、著者プロフィールです。

 

どんなに企画が良くても、その著者に書いてもらう根拠が無ければ企画は通りません。

出版企画書の著者プロフィールの項目というのは、その企画を書くに値するのか、必然性はあるか、資格はあるのか、実績はあるのか…というを読まれます。

決して、履歴書のような情報が知りたいわけではないのです。

 

かとって、盛りすぎたり、煽りすぎたりしてもいけません。

いかにエッヂを効かせ、インパクトと信頼感、安心感を与えるかです。

 

出版は、あなたの企画に出版社が投資するようなものです。

あなたが投資をするのであれば、「2000年に○○証券に入社し、ディーラーとして活躍」という人と「○○証券に入社し、10年間ディーラーとして活躍」という人のどちらにお金を預けたいですか?

たぶん、同じ人だったとしても、紹介のしかたで後者の方が凄そうに見えますよね。

著者プロフィールも同じです。

投資をする以上、こういう著者に書いてもらえるなら、売れそうと思ってもらう必要があるんです。

 

実際、弊社に限って言えば、出版企画書の半分以上がこの著者プロフィールでボツになっていると言っても過言ではありません。

ここを何とか改善できれば、もっと出版実現率は上がるはずです。

著者プロフィールの写真は損することはあっても得することは少ない

最近、弊社に届く出版企画書を見ていると、著者プロフィールに自分の写真を貼ってくる人が非常に増えてきました。

たぶん、あちらこちらの出版プロデューサーがそういう指導をされていらっしゃるんだと思います。

 

しかし、私は、出版業界で20年以上も編集者として活動してきましたが、ただの一度も著者の写真を要求されたことはありません。

逆に、写真が貼られた出版企画書を持って行って、苦笑されたことはしばしば。

写真が決め手になって出版が決まったことなんて皆無です。

 

で、先日、思い切って、出版社の編集者60人にアンケートを取ってみました。

 

「出版企画書のプロフィール欄に写真は必要なのでしょうか?」

 

回答で圧倒的に多かったのは、「全く影響しません」という回答。

ただ、話しを聞いてみて分かったのは、男性と女性で写真の持つ意味が違うということでした。

 

 

男性の場合、「この人が書くんだぁ~」レベル。

つまり、写真には全く効果はありません。

逆に、写真を見た時に不愉快だった場合、どんなに企画が良かったとしても、それで落とすことはあるそうです。

もし、写真を貼るのなら、ちゃんとカメラマンさんに撮ってもらいましょうね。

スナップ写真は厳禁です!

 

女性の場合、重要なのはやはり“容姿”です。

この容姿というのは、カワイイとかキレイというわけでも、担当者の好みかどうかというわけでもありません。

出版社が重要視するのは、“表紙”や“帯”に写真を掲載して、売上に効果を発揮するかどうかということ。

ただ、たとえ“表紙”や“帯”で使えるといっても、100点満点中80点の出版企画書が85点になるぐらいの話しだそうです。

 

つまり、著者プロフィールに写真を貼ることを指導される出版プロデューサーは多いようですが、それを真に受けて写真を貼った企画書を送ったとしても、実際には損することはあっても得することは少ないようです。

 

出版企画書の販売協力(販売促進)を考えよう

これからは、著者が本を売る時代になってきました。

ただ、著者が本を売るということは、出版社の役割が軽くなるということでもあります。

 

そこで、企画書の販売協力という項目に、あなたができる販促活動について書いてみましょう。

この項目が充実すると、企画は通りやすくなります。

 

販売協力の内容には大きく分けて2つあります。

  • 原価を下げる提案
  • 売上を上げる提案

つまり、投資額である原価を下げる提案と書籍を売って投資額を回収しやすくする提案ということです。

私の経験則ですが、出版社が喜びそうな条件は、以下の通りです。

 

●原価を下げる提案

・印税率を下げる

印税率は、出版社ごとに決まっておりますが、その率をこちらから下げる提案をすること。

 

・印税を実売印税にする

初版の印税は、刷り部数に対して支払われますが、それを実際に売れた部数に対して支払ってもらうことにより、出版社のリスクを軽減すること。

 

・買い取り

刷った部数のうち、何部かお金を出して買い取ること。

ただし、1000部以上でないと、出版社にとって魅力のある条件とはいえません。

 

・持ち出し

自ら原価の一部を負担すること。

 

・出版記念セミナーの開催

出版社主催のセミナーを無報酬で行い、その収益を原価に充当してもらうこと。

 

●回収しやすくする提案

・著者キャンペーン

著者が自ら購読者に特典を提供して、知人などに購買を促すこと。

著者がメルマガを発行していて、多くのメルマガ購読者がいる場合に有利となる。

 

・広告出稿

アフィリエイターやメルマガ発行者に協力してもらい、書籍の紹介をしてもらうこと。

もちろん、新聞などへの広告出稿の費用を負担してもよい。

 

・読者特典

読者限定サービスとして、CD-ROMに価値のあるコンテンツを収録したり、メールサポートを行うこと。

 

でも、やはり話しが早いのは、回収しやすくする提案です。

ここを充実させないと、「自信ないの?」と思われてしまいますからね。

 

 

そこで、「アマゾンキャンペーンで1000部は売ります。売れ残ったら買い取ります。」と言ってみてはいかがでしょうか?

 

そうすることで、出版社としては、1000部の販売を確保することになりますので、企画を通す敷居は間違いなく下がります。

これは、著者のアドバンテージになるはずです。

 

もちろん、出版社のやり方では売れなくなってきているものの、出版社はそれでも同じコトを繰り返します。

それは、今までと同様に人やモノが動くということなので、今までと同様の原価は掛かります。

なので、そういうことを言っても条件は変わることはありません。

 

それでも、企画は通りやすくなり、出版への目標は、間違いなく近づくはずです。

もし、キャンペーンで1000部以上売る自信のある方は、挑戦してみてはいかがでしょうか?

 

ただし、私の経験上、1000部はかなり大変だと思いますが…。

 

読者にとって魅力的な特典を提供することにより、書籍の売上に貢献する。

進行可否が微妙な企画について、このような条件提示は非常に有効なので、企画書にこういった条件を書いておくと良いでしょう。

 

出版企画書の類書について考えよう

企画書の「類書」では、すでに刊行されている同じテーマの本の売れ行きをチェックして、そのテーマの本の市場規模を確認するための項目です。

 

 

なので、類書があるのであれば、その類書は売れているのか、そして、売れているのであれば、その類書よりも売れる本になるかがポイントになります。

 

まずは、Amazonなどでテーマになるキーワードで検索してみましょう。

 

同じテーマの類書が1冊しかなく、その類書が売れていて、しかもできが悪ければ、その企画は通る可能性が高いでしょう。

それは、リスクを負って新たな市場を開拓するよりも、売れている類書をより売れる形に改善して二匹目のドジョウを狙う方が、ある程度の市場規模や売れ行きもイメージできますし、リスクが少ないと判断されるからなのです。

また、類書があまりに多い場合や類書が売れていない場合は、企画は通る可能性が低くなります。

なので、もし、類書が数冊(3冊~5冊)しかなかった場合、その類書を企画書に列挙して、その類書それぞれの長所と短所を分析し、自分の企画にはどう反映し、どう差別するのかを書いておいてください。

その場合にAmazonのレビューを参考にするとよいでしょう。

 

逆に、類書がない場合には、類書がない理由を考える必要があります。

「類書がないので、この本は売れる」というような文言を企画書にかかれる方がいらっしゃいますが、それはあまりに短絡的です。

 

我々、出版業界の人間は、常に企画を考えています。

それなのに類書がないということは、どういうことなのか考えてみてください。

 

一つは、出版業界の人間には考え付かない企画。

そして、もう一つは、出しても売れそうにない企画。

 

だいたい、この二つが理由です。

 

しかも、ほとんどの場合が、二つ目の理由であることが多いのです。

つまり、素人考えの「類書がないので、この本は売れる」という理屈は、通用しません。

 

先にも書きましたが、我々、出版業界の人間は、常に企画を考えています。

 

ということは、よほどの切り口でない限り、思いつく切り口であり、それが書店で販売されていないということは、二つ目の企画に該当したということなのです。

 

もちろん、一つ目に該当する場合もありますので、すべてがすべてではありません。

 

そして、その場合は、比較的スムーズに企画は採用されることでしょう。

 

企画を考える場合は、是非、客観的に「類書がない理由」を考えてみてください。

無理に独自性の高い「類書がない企画」を考えるよりも、書店で売れている書籍を探して、その書籍をより売れる形に改善した企画を考えた方が、出版への近道かもしれません。

 

ちなみに、出版業界では、「類書が無い企画」よりも「類書が一冊しかなくて、その本が売れている企画」の方が企画は採用されやすい傾向があります。

つまり、リスクを負って新たな市場を開拓するよりも、売れている類書をより売れる形に改善して二匹目のドジョウを狙う方が、ある程度の市場規模や売れ行きもイメージできますし、リスクが少ないと判断されるのです。

 

 

無理に独自性の高い「類書が無い企画」を考えるよりも、書店で売れている書籍を探して、その書籍をより売れる形に改善した企画を考えた方が、出版への近道かもしれません。

 

出版企画書の納期について考えよう

企画書の「納期」では、原稿の有無や原稿がどれぐらいで仕上がるかが分からなくてはなりません。

理想は、既に原稿ができている事です。

 

可能であれば、「企画進行確定後、30日前後」など、前提となる起点を明示した上で、具体的な数字を出すようにしてください。

旬な企画であれば、納期は早いにこしたことはありません。

また、納期だけではなく、「この本のためなら、執筆期間は他の仕事を断って注力します」など、本にかける熱意や意気込みも書いておくと良いでしょう。

 

逆に無理な納期を書いては絶対にいけません。

 

原稿が遅れると、その後の工程に控えている多くの方々に迷惑が掛かってしまいます。

また、最悪の場合、発刊が延期などの事態に陥ってしまいますと、さらに被害は拡大し、金銭的な実害も発生する場合もあります。

そのため、書くのが遅くて、凄い作品を書き上げる作家さんよりも、多少、荒削りでもスピーディーに書ける作家さんの方が好まれるのが実情です。

逆に運がよければ、そのことを逆手にとることもできます。

それは、他の方の原稿が遅れて困っているタイミングで売り込みをかけると、その穴埋めとして企画進行が確定する場合があるのです。

もちろん、穴埋めなので、原稿ができていないとそうはなりません。

ただし、原稿さえあれば、たとえ文章が多少稚拙であっても、あとは編集者が修正し、完成させることが可能です。

 

いずれにしても、はじめての著書の場合、納期はとても重要になりますので、企画が確定しないと無駄な作業になる可能性がありますが、事前に原稿を書き進めておいても良いでしょう。

 

出版企画書の仕様について考えよう

仕様は、本の大きさやページ数、使う色数のことをいいます。

 

紙質などについても書いてみても良いでしょう。

そこに、書籍がより売れそうな提案が書かれていると良いでしょう。

 

自分の希望を書いても構いません。

ただ、企画書は、書いた人間と読む人間とでとらえ方が違います。

 

企画書を書くときに、「こんな形態で本を出したいなぁ~」と希望を書いたとしても、読む人間は、それを著者の条件だと思う場合があります。

このとらえ方の違いから、企画書を書いた人間はあくまでも希望なので、譲歩するつもりであっても、読む人間は条件だと思って読むため、その企画書だけで進行可否を判断することになります。

 

結果、そのすれ違いで、本になるチャンスを逃すことも少なくありません。

そこで、希望を書く場合は、「希望」と書き加えましょう。

 

そして、譲歩する余地があるコトが伝わるようにしてください。

もちろん、とくに希望がないのであれば、この項目自体書く必要はありません。

 

出版企画書と一緒に誌面イメージやサンプル原稿を添えてみよう

添付資料は、新聞・雑誌記事や各種数字データなどのことです。

 

自分が掲載された新聞や雑誌の切り抜き、市場規模が分かるようなデータは、企画書の裏付けとして添付することで、企画書に説得力を増す効果があります。

そのため、添付資料は多いに越したことはありませんが、必ず、第三者による客観的な資料のみにしてください。

 

もし、どうしても見つからないようであれば、過去の実績や事例を客観的に整理して、添付資料としても良いでしょう。

 

別途、資料を作成して添付したところで、企画書を書いた本人が主観でまとめた資料には、全くといっていいほど効果はありません。

 

誌面イメージだけではなく、イラストや図版のタッチも添えても良いでしょう。

出来上がりの誌面イメージができて、そのイメージされた書籍が売れそうであれば、企画はより通りやすくなります。

 

また、誌面イメージだけではなく、サンプル原稿を添えても良いかもしれません。

 

サンプル原稿が用意できないのであれば、企画書の内容のブログやメルマガ、情報商材などを添付しても構いません。

出版社の方は、原稿の納期などに非常にナーバスなので、サンプル原稿がたくさんあると、スケジュールへの不安が軽減します。

ただし、同時に文章力も判断されますので、しっかりチェックして添付するようにしてください。

 

読者目線で企画が考えられているか確認しよう

出版企画書を読んでいると、企画書としてもの凄く完成度の高い場合があります。

もちろん、それだけ完成度が高いので、企画はすぐに通り、出版されました。

 

しかし、その本が売れません…どういうコトなのでしょうか?

 

当たり前のことですが、どんなに企画が秀逸でもその本を求めている読者がいなければ、本は売れません。

 

どういうことかというと、例えば『士業のためのネットで集客する方法』という企画があったとします。

集客に困っている士業の方を対象に、インターネットで集客する方法を解説する内容です。

ターゲットも明確ですし、内容も面白い。

でも、ダメなんです。

というのも、士業の方は集客で困っていても、インターネットで集客しようとはなかなか思いません。

つまり、思っていないので、この本が書店に置いてあったとしても、この本と巡りあうことはないんです。

読めば役立つ内容であっても、読者と巡り合わないのですから、意味が無いというコトになります。

 

 

実は、こういう事例はたくさんあります。

 

デジカメの写真をしっかり整理したり、バックアップするべきなのに、ユーザーはそこに危機感を持っていない。(問題に対して読者が問題視していないパターン)

 

ある病気の対処について役立つ内容なのに、発症期間中は本を読める状況にない。 (問題に対して読者が答えを探していないパターン)

 

インターネットで検索数が多いが、インターネットで調べて事足りるため、書店にその悩みを解決しに行かない。 (問題に対して読者が書店に答えを求めていないパターン)

などなど。

 

『読者がそこに悩みを持っていて、その解決策を書店に求めているかどうか』この思考が凄く重要なのです。

基本的で、当たり前なことですが、企画書の完成度があまりに高いと、その視点が欠落していても出版社の編集者も「この企画、何だか売れそう」と錯覚してしまいます。

 

ただ最近では、どこの出版社も数々の失敗と反省、分析を繰り返し、今では、この思考をとても重視しているように感じます。

 

企画書ができたら、出版社に売り込む前に、是非、『読者がそこに悩みを持っていて、その解決策を書店に求めているかどうか』という思考で見直してみてください。

 

書籍編集者が書籍の企画書に目を通す順番

出版社に企画書を送ると、出版社の編集者が目を通します。

その時に、どういう順番で、どういうコトを思いながら読むのかを紹介します。

 

まずは『書名』。

ここで「ん?」と引っかからなかったら、その先を読んでもらえる可能性はかなり低くなります。

 

次に、その書面で引っかかった編集者は「どんな内容なの?詳しく知りたい」と思って、『企画概要』を読みます。

ここで「なるほど!」とか「面白い!」と思ってもらえなければ、その先を読んでもらえる可能性はさらに低くなります。

 

そして、「なるほど!」とか「面白い!」と思った内容を本当に書ける著者なのか、書く資格のある著者なのかをチェックするために『著者プロフィール』を読みます。

 

ここをクリアした時点ではじめて、この企画を出版するつもりでその先を読んでもらうことになります。

その後、『構成案』や『著者の販売協力』などをチェックして、連絡するかどうかを考えます。

 

暴論かもしれませんが、出版企画書に絶対必要な項目は、上記の項目だけで、それ以外の項目は上記の項目を補完するための項目だと言っても過言ではありません。

 

ただ、出版社によっては、編集会議に提出する企画書の項目が決まっているところもあり、そのフォーマットに落とし込む時点で編集者が考えて書かなくてはいけない項目があると、その時点で編集会議に提出する気が失せる場合もあるので、無くてもイイというわけではありません。

 

出版企画を編集会議で簡単に通す方法

書籍の企画を決める編集会議では、ほとんどの場合が企画書をベースに話し合いが行われます。

この企画書にあるものが添えてあると、実はサクッと進行が決まることがあるのです。

 

それは、市場規模が分かる数字です。

市場規模が分かる数字とは、ユーザー数や登録者数などのことをさします。

そして、できるだけその数字は、公の資料であることが望ましいでしょう。

 

目安としては、その数の10%が5000を上回る場合、比較的サクッと企画の進行が決まると思います(これは経験則ですが…)。

 

例えば、先日、iPodが発売されましたが、そのiPodの販売台数が100,000台だったとすると、そのユーザーのうち10,000人は本を買うだろうと判断し、iPodの使い方の企画なら進行が決まります。

 

他にも、市場規模が分かる数字として、類書の売れ行きもあります。

 

類書が1冊しか無い場合、その類書が売れていると、やはり、比較的サクッと企画の進行が決まると思います(これも経験則ですが…)。

ただし、売れていたとしても、類書が3冊以上ある場合、市場が飽和状態と判断されるため、切り口を変えないと厳しいでしょう。

 

ユーザー数や登録者数などの数字であれば、ニュースサイト(BCNランキングなど)で見つけることはできますし、類書の売れ行きであれば、アマゾンのランキングや本屋さんで平積みになっている本の奥付を見れば増刷されたかどうか分かります。

 

こういう数字を見つけてから企画を考えるのも良いですし、立てた企画の数字を探して、企画書に添えてみるのもよいでしょう。

いずれにしても、このような市場規模が分かる数字が添付されていると、本の売れ行きが予測しやすいので、企画進行の可否はサクッと決まります。

 

逆にダメな例としては、「たくさんいるだろう」や「いるはずだ」という「たら・れば」による予測です。

これは全く意味がありません。

それは、そういう潜在需要は、あるにしてもその方々が本を買うかどうかの動機付けに結びつかないからです。

 

ちなみに、意味が無いということは、企画が通らないというわけではありません。

あくまでも市場規模は分からないという判断をされるだけで、あとはその企画の内容だけで進行の可否を決めることになるという話です。

企画内容が面白ければ、そんな数字の裏づけが無くても、進行されることでしょう。

ただ、その決断をくだすのに、少し時間がかかるかもしれませんが…。

 

書籍編集者に伝わる企画書のポイント

今まで、たくさんの企画書に目を通しましたが、企画書で大切なことは、その企画書を読んでどういう本が出来上がるのかがイメージできることだと思います。

 

そのためには、どんな人が、どんな切り口で、どんな構成で書かれるのかが、出版社の方に伝わるかが重要で、そのために企画書としてまとめるだけの話しです。

類書をだすのもその一環です。

企画書だけで伝えきれないのであれば、サンプル原稿や誌面のデザインイメージを添えても良いでしょう。

 

難しく考えることなんかないのです。

 

出来上がりがイメージできて、そのイメージされた本が売れそうであれば、企画は通ります。

 

逆に企画書からこれらのことが読み取れないのであれば、その企画は通ることはないと思ってください。
企画書で最も重要なのは、「伝える」という点にあります。

 

最近、この基本的な思考が欠如されている方が多いように思います。

 

私が日記に書いてきたコトは、この基本的な思考を踏まえた上で、より通りやすい企画書を書くためのテクニックに過ぎません。

もしかしたら、企画書というより、提案書として認識されたほうが分かりやすいかもしれません。

 

是非、企画書の意義を再確認しましょう。

 

この基本的な思考が大前提として認識していなければ、どんなに苦労して企画書を作っても、企画は通ることは無いと思ってください。

 

企画がボツになった理由を見極めて、対応を考える

出版社が出版企画書を見てボツになる場合は、2つのパターンがあります。

 

ひとつは、ここを修正してくれたら再検討しますというパターン。

このパターンの場合は、切り口、読者ターゲット、構成といったどちらかというと企画の枝葉への指摘が多いです。

 

そして、もうひとつは、この出版企画書は完全にボツというパターン。

このパターンの場合は、テーマ、著者プロフィールといった企画の根幹に関わる指摘ということになります。

 

枝葉の問題であれば、部分的な修正のレベルなので、そこを修正するのであれば、引き続き検討しても構わないが、根本的な問題だった場合は、全体的な修正のレベルなので、ゼロから考え直した方が話しが早いということです。

 

つまり、枝葉の問題でボツになったのであれば、希望があるということなので、何度でも修正してアタックするべきだし、逆に、根幹の問題でボツになったのであれば、潔く諦めて、次の企画を考えるべきだと言い換えることができます。

 

もし、根幹の問題でボツになったのであれば、そのまま何度アタックしても企画が通る可能性は低いです。

しかも、逆に「しつこい」「ウザい」といったマイナスの印象を持たれてしまい、次に良い企画書ができたとしても「この著者はしつこいからいいや」とボツになることもありますので注意しましょう。

 

また、最初から修正を前提とした企画書や先方の出方を伺うような未完成な企画書は、著名な著者で無い限り、一瞬で一蹴されてしまいます。

出版社の編集者も忙しい中、時間を割いて企画書を見ていただけるのですから、一発勝負ぐらいの覚悟を持って、作成した企画書を見てもらうようにしましょう。

 

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