出版して、二冊目、三冊目を出版する方法
まだ一冊も出版していない段階だと、まずは一冊と思ってしまいますが、一冊出版したぐらいでは、人生はさほど大きくは変わりません。
出版した効果というのは、せいぜい三年程度。
つまり、あと三年で仕事を辞めるのなら構いませんが、まだまだ先を考えているのであれば、出版を一冊だけで考えるのではなく、二冊目、三冊目を出版することを視野に入れて、一冊目の出版を考えるようにしてください。
自分の書きたいことを一冊に詰め込みたい気持ちは分かりますが、大切なのは読者の気持ちです。
読者が知りたいと思える内容でなくては、本は売れませんし、そもそも出版社が出版をさせてはくれないでしょう。
そして、もちろん売れ行きも大事です。
自分が書きたいことを細分化して、読者が知りたいであろう内容から出版して、本をしっかり売りながら、ファンを徐々に増やしていくようにしてくださいね。
目次
著者人生は一冊目で決まる
はじめて出版した一冊目は、必ず、売ってください。
もっと言えば、全部を自分で買い取ってでも、売れたことにしてください。
出版業界では、著者は3割バッターと言われております。
つまり、3割以上の本が売れていれば、継続的に本を出すことができるということです。
ただ、逆に言えば、3割未満の著者は、次の本を出せる可能性はほとんどないということでもあります。
では、何故、そこまでして一冊目を売らなくてはならないのか?
答えは簡単ですね。
一冊目が売れなかった場合、その時点で0割になってしまうからです。
では、逆に一冊目の本が売れたらどうなるでしょう?
一冊目が売れたら、10割ですね。
二冊目が売れたらやはり10割、売れなかったとしても5割になります。
売れなくても5割なので、次のチャンスがあります。
そして、二冊目が売れなかったとした場合、三冊目が売れたら6割6分6厘、売れなくても3割3分3厘です。
売れなくても3割3分3厘ということは、四冊目のチャンスもあります。
つまり、一冊目が売れれば、その後、四冊目まではチャンスがあるというコトです。
ちなみに、売れた、売れないの判断基準は、以下の通りです。
- 売れた:2刷り以上の増刷
- どちらでもない:損益分岐点以上、1刷りの増刷
- 売れない:損益分岐点以下
この一冊目の重要性に気づかず、あまり本気でプロモーションもせずに売れない…そして、二冊目を書こうと売込みをして、はじめてそのコトに気づくことが本当に多いです。
でも、その時には、あとの祭り。
かなりの努力をしないと、二冊目の話しを聞いてももらえません。
だから、一冊目が重要なのです。
そして、何が何でも売らなければいけないのです。
そうは言っても、誰でも頑張れば本が売れるわけではありません。
本を売るために、何時、何をすればいいのかを知っておかなければなりません。
出版したら、求められるのは“結果”、問われるのは“姿勢”
出版したくて、自ら企画を売り込みをし、結果、出版することができた場合、求められるのは“結果”です。
当たり前ですね。
出版社も商売ですし、出版プロデューサーのような仲介者がいた場合でも、その人の信用を傷つけることになりますからね。
ただ、結果は求められますが、答えらるかは微妙です。
売れない場合は、何をやっても売れませんから…(爆)
そんな時は、“仕方ない”と諦めるしかありません。
そもそも、出版社も仲介者も結果を期待して出版に踏み切る以上、その判断の過ちを著者側に全て押し付けるのも酷な話しです。
現状のポテンシャルや期待値なども含めて決済しているのですから、読み違えた責任、騙された責任のようなものがあってしかるべきだと思います。
だから、“結果”は求められますが、出た結果が全てです。
売れようが、売れていなかろうが、それを受け入れるしかありません。
よく、「頑張りました!」とアピールされる著者さんがいらっしゃいますが、出版は学生の部活ではありません。
出版といえども、ビジネスです。
そこに“頑張り”とか、“努力”とかは、どうでもいいですよね。
大切なのは結果。
頑張ろうと、頑張るまいと、結果が出たら評価されるんです。
では、“頑張り”や“努力”ではなく、“結果”は求めるが、出た“結果”は受け入れるというなら、何が必要なのでしょうか?
それは著者としての“姿勢”です。
本が出た時に、どれだけ頑張ったかではなく、どれだけの覚悟をもって挑んだかです。
出版社のため、仲介者のために、どれだけ腹を括って挑んだかです。
出版社や仲介者に「ここまでやってダメなら、残念だけど仕方ないよね」と言わせるだけの“姿勢”です。
私は、著者としての“姿勢”に熱いものを感じなければ、その著者の本がどんなに売れようと、二度と一緒に仕事をしないと決めています。
だって、出版を決めるまで苦労や本を作り上げる過程での苦労を考えたら、著者としての“姿勢”に熱いものがないのであれば、正直、「なめられてるのか?」と思いますからね。
厳しいことを書きましたが、そもそも出版って、そんなに簡単にできることではありませんよ。
そこに信頼関係を築けたから、我々も近道を案内できるんです。
なのに、そこに著者としての“姿勢”に熱いものがないというのであれば、その信頼関係を蔑ろにしているようなものですから。
二冊目を目指すなら、できた本をしっかりと読み直しましょう
書籍は、何人もの編集者のチェックを受けて、修正を繰り返し、完成します。
つまり、完成した書籍は商品価値を高めるために、何人もの編集者のチェックを経て、形になっているのです。
ヒドイ場合、ほとんど原型が残っていない著者さんもいらっしゃいます。
逆に優秀な著者さんの場合、限りなく原文そのままの著者さんもいらっしゃいます。
当たり前ですが、手のかからない著者さんというのは重宝がられるので、“売れる”“売れない”のジャッジが甘くしてもらえることが多いです。
で、何が言いたいのかというと、完成した書籍を眺めて満足するのではなく、必ず、読み返してください。
もっと言えば、自分が提出した原文との違いをつぶさにチェックしてもらいたいのです。
そして、自分の文章をどこをどう直されたのかをチェックして、自分の文章力向上に役立ててください。
(パッと見は変わっていなくても、細々と修正されていることは多いです)
書籍は売れれば、次のオファーはあります。
しかし、そのオファーが同じ出版社でなかったとしたら、売れたという結果のみでオファーしていることを意味しています。
それはつまり、担当だった編集者は修正が大変だったので、2度と一緒に仕事をしたくないと思われていることを意味していると言っても過言ではないでしょう。
そうでなければ、売れた著者に次のオファーを出さないなんてことはありませんから…。
ということは、どんなに本が売れたとしても、文章力が向上していかないと、出版社をたらい回しになって、1周したら誰もオファーしてくれなくなるという可能性があるということです。
数冊出版されると、自分の本を見ながら思いに耽ることも少なくなるようですが、慢心することなく、必ず、チェックだけは続けてください。
二冊目が決まらない理由
基本的に1冊出版して売れれば、2冊目は簡単に決まるものです。
みなさんも、そう思ってキャンペーンなどを仕掛けられることでしょう。
だからといって、売れればいいというわけではありません。
とにかく、売れているのに2冊目が決まらないのには理由があるということです。
その理由は、だいたい3パターン。
本が売れているが利益がなっていない場合
本を売ること自体は、お金をかければ、ある程度は売れるのですが、重要なのは利益です。
利益が残らなければ、本が売れてもあまり意味がありません。
つまり、薄利多売はリスクが高いので、あまり好まれません。
印税率や初版部数を交渉する出版プロデューサーもいらっしゃいますが、そういう方の紹介される著者も2冊目目は敬遠されがちです(1冊目は義理などもあるので、通りやすいですけどね)。
本の企画などが合わない場合
出版社には、出版社ごとのカラーがあります。
なので、1冊目が売れたからといって、2冊目は何でもいいわけではありません。
2冊目もその出版社のカラーに合ってなければ、出版社としては出したいけど出せないということになると思います。
著者と関わりたくないと思われた場合
出版はビジネスですが、だからといって結果だけを見ているわけではありません。
出版社の編集者も人間ですから、感情があります。
1冊目の過程での著者とのやりとりや出版後の対応など、それらのやりとりの中で『もう2度と仕事をしたくない』と思われたら、1冊目がどんなに売れたとしても、2冊目はありません。
1冊目は、企画が通った以上、予定通りに刊行しなくてはならないので我慢しますが、それが終わったら解放されますので、そういう感情がけっこう重要だったりするのです。
考えれば、すぐに分かることですが、なかなか気づいていない人が多いと思います。
凄くもったいないですよね。
はじめての出版の時には、すでに2冊目の道がはじまっているんです。
二冊目が本当の実力を試される
本を出版して、販促を行おうとしたとき、一冊目は意外と難しくはありません。
自分自身のモチベーションも高いので、地道な作業も苦になりませんし、とにかく一生懸命になれますので。
周りもお祝いの気持ちも含め、義理や人情で協力的です。
しかし、これが二冊目となると、そうはいきません。
一冊目の販促に成功した著者なら、まず、その実績に胡坐をかきます。
そして、二冊目ということもあり、自分自身の販促に対するモチベーションも一冊目ほどではありません。
もちろん、周りも「またか」という感じで、あれだけ好意的だったのがウソのように素っ気無くなります。
それだけに、二冊目で著者の本当の実力が試されるのです。
そのためには、一冊目の販促のときに何をするのかが非常に重要になります。
それは、一冊目の販促で集めた読者をいかに二冊目のリピーターにするかを考える必要があるということです。
二冊目は自分の力だけで販促を行うつもりぐらいで、一冊目の販促に取り組みましょう。